新型コロナで老人ホームが面会謝絶、最後の別れをする家族のためにハシゴ車が使われる
オランダの面会謝絶となった老人ホームに消防車のハシゴがかけられ、部屋にいる男性に家族が最後の別れを告げることができた。
新型コロナのため面会謝絶
その男性とは、Henry Nijhoveさん(87)。彼はアムステルダムにある老人ホーム「Anton de Komplein residential care home」で暮らしていたが、先日から体調が悪化していたという。
家族は、もはやHenryさんが長く生きられないかもしれないと聞かされたが、老人ホームは新型コロナウイルスの蔓延を防ぐために、面会謝絶となっていた。
そこでHenryさんの孫娘であるChanteさんは、地元の消防団に手紙を書き、協力を要請。消防団は彼女の要請を受け入れることに。
3月19日から会えなかった
消防団は当日、老人ホームに現れ、ハシゴ車を使用。ハシゴの先頭に家族を乗せて、Henryさんがいる4階の部屋の窓まで近づけたという。
これによりChanteさんら家族は、Henryさんと最後のお別れができたそうだ。
Chanteさんによれば、Henryさんは新型コロナに感染していたわけではないが、面会謝絶のために3月19日以来、祖父の様子を見ることができなかったという。
そのためHenryさんが亡くなる前に二度と会えなくなると思い、もう一度物理的に会う方法を考えたとか。Chanteさんは取材に対して次のように語っている。
「私は、これを叶えることができ、(ハシゴで近くまで行くのが)許されて、どれほど感謝しているか言葉では言い表せません。私たちは本当に仲のいい家族だったのです。祖父は私たちの全てなのです」(オランダ語を英訳しているため、若干異なっている場合あるのでご了承いただきたい)
Henryさんの娘であるMildredさんも、消防団に感謝し、同時に「家族の全員が父親を愛していることを示したかったのです」と述べている。(了)
出典元:MailOnline:Heartbroken family of a desperately ill pensioner say their last goodbyes after Dutch fire crews lift them up to the fourth-floor window of his locked-down care home(4/11)