メダルを売った東京五輪の銀メダリスト、理由は人助けだった
東京オリンピックのメダリストが、授与された銀メダルを競売にかけて売ってしまった。お金が必要だったわけだが、それは心臓病の子供を救うためだった。
銀メダルをフェイスブック上で競売に
東京オリンピック・陸上女子やり投げで2位になったマリア・アンドレイチクさん(27才/ポーランド)は、その5日後、自身のフェイスブックに、獲得した「オリンピック銀メダルの競売を行ないます」と書き込み、最低入札額は20万ポーランドズロチ(約564万円)であるとアナウンスした。
理由は、生後8ヶ月の赤ん坊を助けるためだ。海外メディアによれば、その子の名はMiłoszek Małysaちゃん。心臓疾患があり、生き続けるためには、ポーランドからアメリカ・カリフォルニア州のスタンフォード大学に行って手術を受けなければならないという。
アンドレイチクさんはこの子を直接知らないが、子供の母親がネット上で寄付を求めているのを知り、メダルを売る決心をしたらしい。彼女によれば、Miłoszekちゃんの手術には、アメリカへの旅費を合わせて総額150万ポーランドズロチ(約4200万円)が必要とのこと。
しかし、大切な記念でもあるメダルを売ってしまって後悔しないのだろうか? アンドレイチクさんは海外メディアにこう話している。
「メダルの真の価値は、いつでも心の中にあり続けます。メダルは単なる物体です。そして、それが私以外の人にとって大きな価値を持つことがあります。この銀メダルは、クローゼットの中で埃をかぶる代わりに、人の命を救えるのです。だから、競売で売ることにしました。病気の子供を救うためです」
落札者の善意
競売はアンドレイチクさんのフェイスブック上で行われ、ポーランドのコンビニエンスストアチェーン「Zabka(ジャプカ)」が落札した。
その後驚くことがあった。このコンビニチェーンが、お金だけ払って、メダルはアンドレイチクさんに返還したのだ。「Zabka」のフェイスブックに、こんなコメントが掲載されている。
私たちは、我々ポーランドのオリンピアンの、美しく気高い行いに心を動かされました。そして、Miłoszekちゃんへの寄付をサポートすることにしました。また同時に、東京オリンピックの銀メダルを、アンドレイチクさんのもとに留めることを決めました。
(了)
出典元:sunny skyz:Olympian Maria Andrejczyk Auctions Off Medal To Pay For Young Boy’s Surgery(8/18)
出典元:People:Polish Track and Field Olympian Auctioning Off Silver Medal to Raise Money for Boy’s Heart Surgery(8/17)