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ロシアが西側の人工衛星を破壊すると脅迫、戦時中に攻撃の例は無し

ロシアが西側の人工衛星を破壊すると脅迫、戦時中に攻撃の例は無し
Twitter/Elon Musk

ロシア側は、ウクライナを支援する西側の人工衛星を「攻撃する」と脅しており、懸念が生じている。

 

「報復的攻撃のターゲットになりうる」

 

ロシア外務省高官のコンスタンチン・ボロンツォフ氏は国連で、ウクライナの戦力を支援する西側の民間および商業衛星は「極めて危険な傾向」にある、との見方を示した。

 

その上で、このような準民間のインフラは、ロシア軍による報復的攻撃の合法的なターゲットになりうる可能性があると述べたという。

 

これまで、敵国の衛星に対してミサイル攻撃を行った国はない。もしウクライナ戦争中にそのような行為があれば、ロシアとアメリカの緊張が急激に高まる可能性がある。

 

ウクライナ軍は衛星に大きく依存

 

そもそもウクライナ軍は、イーロン・マスク氏のスペースX社が提供する「スターリンク」衛星ネットワークを介したインターネットに大きく依存しているという。

 

またアメリカの「Maxar」なども、ウクライナ戦争において、軌道上の衛星から戦場などの画像を撮影し、メディアなどにも情報を提供している。

 

またウクライナの数万台の通信機器は、アメリカの衛星通信大手「イリジウム」の衛星ネットワークに依存しているそうだ。

 

「衛星に対する武力行使の例はない」

 

ミシシッピ大学ロースクール・航空宇宙法プログラムの共同ディレクターであるミシェル・ハンロン氏は、次のように述べている。

 

「この脅威は、われわれをこれまで経験したことのない瀬戸際に立たせました。こうなるかもしれないという感覚は常にありましたが、実際に誰かが、そうするかもしれないと声高に言ったことはありませんでした」

 

またハンロン氏は「武力紛争法の下では、ロシアがアメリカの民間企業の衛星を攻撃することは、戦争行為と見なされ、アメリカが対応する可能性があります」と述べている。

 

一方、セキュアワールド財団の宇宙政策アナリストであるブライアン・ウィーデン氏は、「今のところ、これらすべての法的側面は実に不透明だ」と主張。「衛星に対する戦時中の武力行使の例はない」と述べている。

 

ホワイトハウスのジョン・カービー報道官は24日、アメリカのインフラへの攻撃には対応すると述べたが、詳細には触れていない。

 

またロシア安全保障理事会の副議長を務めるドミトリー・メドヴェージェフ氏は、最近ツイッターを買収したイーロン・マスク氏を祝福し、「スターリンク」を引き上げるよう求めたという。(了)

 

出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war live: Russia has fired 4,500 missiles on Ukraine since invasion, says Zelenskiy; more than 300 drones ‘shot down’ – as it happened(10/28)

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