米国女子中学生が、車の死角を消すアイディアで発明賞受賞
交通事故の要因となる車の死角。ドライバーの視線を遮って死角を作るものの1つに、フロントガラスとサイドウインドゥの間のフレームがある。
専門的には「ピラー」と呼ばれるこの部分は、幅は細いながら、場合によってはバイク1台を数秒の間隠してしまうほどの死角を作るそうだ。
この死角をなくすため、米国の女子中学生がアイディアを出し、ウェブカメラとプロジェクターを使ったシンプルな死角除去システムを製作した。
科学コンテストで優勝
米国ペンシルベニア州の中学生Alaina Gasslerさん(14才)が製作した死角除去システムは、基本的にはウェブカメラと、その映像を投影するプロジェクターから成る。助手席側のピラーに付けられたウェブカメラが、車外の死角を撮影し、その映像を、プロジェクターがリアルタイムでピラーの内側に投影するという仕組みだ。
プロジェクターは車内の天井の、ドライバーの頭上に付けられており、ドライバーはピラーを透かし見るような感覚で、車外を視認できるようになる。
このシステムは、科学の推進を目的とする非営利団体「Society for Science&the Public」が開催する米国中学生を対象とした科学コンテスト「2019 Broadcom MASTERS」で優勝。Alainaさんには、賞金2,500ドル(約270万円)が授与された。
再帰反射材で問題解決
ウェブカメラとプロジェクターから成るこのシステムは、シンプルで、誰でも作れそうに思える。だが、実際に作るのは容易でなかった、とAlainaさんは言っている。
例えば、ピラーの内側の生地。プロジェクターの映像をピラーに映すと、ドライバーは平気だが、助手席に乗っている人の目の近くで映像がチラチラ動くことになり、快適に乗ってはいられなかったそうだ。
これを解決するためにAlainaさんは、再帰反射材という特殊な素材(生地)を使った。再帰反射材は光源の方向にしか光を反射せず、ピラーの内側に張れば、そこに投影された映像はプロジェクターの光源があるドライバー側からしか見えない。助手席に乗った人からは、ただの黒い布に見えるだけだという。
また、プロジェクターとピラーの距離が近すぎてピントが合わなかったため、Alainaさんは3Dプリンターで、ピント調整用の部品を自作しなければならなかったそうだ。(了)
出典元:Mashable:Teen girl invents simple, yet innovative way to remove blind spots in cars(11/1)
出典元:boredpanda:14-Year-Old Girl Finds A Way To Solve The Blind Spot Problem In Cars(11/1)