バングラデシュで麻薬の取締強化により、7000人が逮捕され86人が死亡
バングラデシュで麻薬密売の厳しい取締りにより、5月だけで多くの死者が出ていることが明らかにされた。
今月から麻薬売買の取締りを強化
バングラデシュの政府関係者によれば、5月初旬にSheikh Hasina首相は麻薬撲滅キャンペーンを行うことを了承したという。
これは「ya ba」というメタンフェタミンという成分を含んだ麻薬の密売を取締ることを目的としており、それは毎年30億ドル(約3300億円)も取引されているそうだ。
この「ya ba」という麻薬は隣国のミャンマーから密輸されていると見られ、バングラデシュでは取締りを強化した結果、すでに少なくとも86人が殺され、約7000人が逮捕された。
68 dead in #Bangladesh's anti-drug campaign. pic.twitter.com/fJnkiVXruS
— Afraid Canvas (@AfraidCanvas) May 27, 2018
ロヒンギャの流入が麻薬増加の原因?
バングラデシュの政府関係者は、近年麻薬の取引が増加しており、根絶されるまで取締りは続けられる、と語っている。
また今週日曜日には、3350個の「ya ba」の錠剤を首都のダッカに運んでいたとして、ロヒンギャ出身の少年を含む6人を逮捕したとか。
さらに昨年、ロヒンギャがミャンマーから追われバングラデシュに逃げ込んだが、その流入がメタンフェタミンの使用の増加につながった面もあると見ているという。
ただロヒンギャの多くの人々はその理由について、正式に働くことができず、家族を救う手立てもないことから、若者が犯罪に手を染めていると説明しているそうだ。
#Bangladesh continues it's anti-drug drive which hardly gets popularity due to shooting death of over 70 people including of elected representative. PC: collected pic.twitter.com/hCwQFlMdsY
— muktadir rashid romeo (@muktadirnewage) May 27, 2018
86人の殺害は自己防衛と説明
今回殺された86人について警察は、密売人と遭遇した際の自己防衛のための措置だったと説明。
これに対して人権活動家は、過去2年間で数千人が殺害された、フィリピンでの麻薬取締りと同じ状況になるではと危惧しているという。
このような状況に対し、Human Rights WatchのMeenakshi Ganguly氏は「バングラデシュ政府は、これらの死者の何人かは違法な殺人の犠牲者ではないかという遺族や人権団体の懸念や申し立てに耳を傾けるべきだ」と主張。
しかしAsaduzzaman Khan内務大臣は人権活動家の申し立てを拒否。また警察官も作戦中にケガを負っていることから、違法殺人ではないかという疑惑についても否定しているそうだ。(了)
出典元:INDEPENDENT:At least 86 killed and 7,000 arrested in Bangladesh anti-drugs campaign(5/28)
出典元:REUTERS:Bangladesh kills 86, arrests 7,000 in anti-drugs campaign(5/28)