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海外でも推奨される1日1万歩、言い始めたのは60年代日本だった

海外でも推奨される1日1万歩、言い始めたのは60年代日本だった
山佐時計計器株式会社

健康のために1日1万歩歩くといい、と、欧米でも言われているそうだ。だが、この1万歩という数字には、科学的根拠がほとんどないらしい。

 

それなら、なぜ1万などという数が出てきたのか? 海外メディアによれば、1960年頃の日本の新聞に掲載された、万歩計の広告が出所であるとのこと。

 

1964年東京オリンピックの健康ブームで

 

1964年の東京オリンピック前、日本では健康ブームが沸き起こり、多くの会社がそのトレンドに乗って商品を売ろうとしていた。

 

ヤマサ時計計器株式会社もそういった会社の1つで、自社製品「万歩メーター」の新聞広告キャンペーンを展開した。キャッチフレーズは「一日一万歩あるきましょう」だ。

 

ハーバード大学医学大学院のI-Min Lee教授によれば、「万歩メーター」は単なるマーケティングのためのネーミングだが、それが人の心に深く刻み込まれ、世界に広まって行ったとのこと。海外のフィットネストラッカー(活動量計)などでも、今は1万歩がデフォルト設定になっているそう。

 

教授は、1万歩が適正なのかを検証する論文を過去に書いており、その時の調査で1万歩の出所が日本だと判ったそう。

 

下にあるのが当時の新聞広告。コピーにはこんなことが書かれている。

 

日本万歩クラブ推薦

東京オリンピック以来高まった国民の体力づくり、そのあらわれが”一日一万歩運動”です。

きょう何歩あるいたかしら? 小さく軽く美しいデザインの「万歩メーター」は、日本万歩クラブ推薦の歩数計です。白・黒・ベージュ・赤の4色がありますから、お好きな色をお選び下さい。(全国有名デパートで販売中)

 

山佐時計計器株式会社
山佐時計計器株式会社

1万歩でなくても大丈夫

 

海外メディアによれば、Lee教授以外にも多くの学者が歩く歩数に関する研究を行なっており、それらをまとめると、目標として1日1万歩は悪くない、と言えるそうだ。

 

大規模な調査に基づいた最新の論文は、健康維持のためには1日6000〜8000歩で十分だと結論づけている。それ以上歩いても効果は変わらないとのこと。(了)

 

出典元:New York Post:Do we need 10K steps a day? Shocking truth and origin of daily goal(9/15)

出典元:Harvard Health Publishing:10,000 steps a day — or fewer?(2019/7/11)

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