フランスのオルリー空港で起きた襲撃事件、そのカメラ映像が公開される
3月18日の朝、フランスのパリ近郊にあるオルリー空港で発生した襲撃事件。その様子を捉えた監視カメラの映像が公開された。
●女性兵士を背後から襲い人質に
動画はショッピング・バッグを手に持った男が、警備していた女性兵士の背後から近づく場面から始まっている。
やがて男はバッグを捨て、女性兵士を羽交い締めするような格好で、衝立の前へと後退していく。
当局によればこの時、ショッピング・バッグにはガソリンが入っており、また男は鳥を撃つ時に使うような弾が装填されたリボルバーの拳銃を持っていたという。
しかしこの時はまだ他の空港利用客に慌てる様子は見えない。中には何が起きているのか分からず、素通りしていく人もいる。
●兵士が発砲し容疑者死亡、被害者はなし
その後、事態に気づいた人々はその場から離れようとし、男は人質の女性兵士を盾にしながら通路の奥へと移動。同じエリアを警備していた同僚の兵士が一定の距離を保ちながら、慎重に2人の後に続いていく。
当局によればこの時、男は「俺は人間を殺すつもりだ!アラーのために死ぬ!」と叫んでいたという。
それから間もなくして、男が立った瞬間に兵士の放った弾が命中。男は死亡し、人質になっていた女性兵士も、這って男から離れていく姿が映っている。
この出来事はわずか3分弱の間に起きたとされ、他の利用客にも被害はなかったそうだ。
●空港に来る前に警察官を撃つ
フランス当局によれば、死亡した男はZiyed Ben Belgacem容疑者(39)で、フランス国籍を持ち、麻薬所持や強盗など長期に及ぶ犯罪歴があったという。
またこの日の早朝、空港に来る前にBelgacem容疑者の運転する車が交通違反で止められており、その際容疑者は警察官の顔に銃を発射し、ケガを負わしていたそうだ。
さらに容疑者の検死の結果、血液からは基準値の2倍のアルコールが確認され、さらに薬物検査の結果、コカインや大麻の痕跡も検出されたと言われている。
当初は過激思想の影響を受けた人物と考えられていたが、男の父親によれば容疑者はイスラムの教えを実践しておらず、普段からアルコールも飲んでいたという。(了)
出展元:ABC:Paris Orly airport attack video footage shows the moment man takes soldier hostage(3/21)