第2次大戦で沈没した英軍艦から、中国の海賊が金属を奪っているとして問題に
中国人の海賊が第2次世界大戦で沈んだイギリスの軍艦から金属類を略奪しているとして、問題となっている。
レパルスやプリンス・オブ・ウェールズも
その軍艦とはマレーシアやインドネシア沖で戦争中に沈没したもので、全部で10隻に及ぶという。
またこれらの軍艦の中には、1941年12月10日のマレー沖海戦で、日本海軍の一式陸攻や九六式陸攻によって沈められた戦艦、プリンス・オブ・ウェールズやレパルスなども含まれているそうだ。
しかし沈没した船にはまだ約1000人の乗組員の遺体も残されており、戦没者の墓と指定されているにもかかわらず、海賊らによって金属と共にさらわれていると見られている。
また今年の1月には、インドネシアのジャワ島沖で、沈没した駆逐艦の「エレクトラ」や重巡洋艦「エクセター」などが略奪され、その後、金属回収業者によってイギリス海軍兵士2人の遺体がBrooding港近くの共同墓地に捨てられているのが報告されているとか。
被害に遭う沈没船が増える可能性
海賊は中国人が所有する特殊なクレーンがついた艀を使っており、沈没船は打ち砕かれ、金属回収者によって内部が荒らされているという。
また専門家は、以前6隻が略奪されていたが、今ではさらに4隻が被害に遭っていると指摘。今後もさらに被害に遭う沈没船が増えていくという見方を示している。
このような事態に対しイギリスのギャビン・ウィリアムソン国防大臣は調査をすることを約束。さらに次のように述べている。
「イギリス政府は乗組員の遺体が含まれた沈没船への、このような許可されていない行為に対して断固として非難します。(略)私たちはインドネシアとマレーシア政府と緊密に連携をとり、調査していくつもりです」
さらに海軍史家であり、元海軍少将でもあるChris Parry氏は「私たちは中国人の海賊に対して断固たる態度をとる必要がある。またこれらのエリアの保護と、海岸を有する国々に対する対外支援とをつなげて考える必要がある」と主張している。
このような沈没船と、それに関連した備品については国際法上、国家裁判権免除を通じて保護されているという。日本の艦船も被害に遭わないことを願う。(了)
出典元:EXPRESS:British WW2 graves DESECRATED: Probe as China pirates plunder ships(8/19)
出典元:MailOnline:Desecration of British war graves: Chinese PIRATES plunder 10 shipwrecks carrying remains of UK’s Second World War heroes(8/19)