世界一周レースの途中にヨットがインド洋沖で漂流、国際的な救助活動が行われる
レース中にインド洋沖でヨットが嵐に襲われ、国際的な救出活動が続けられた結果、乗っていた男性が救助された。
メインのマストが折れて漂流
その男性とはAbhilash Tomyさん(39)。インド海軍の軍人でもある彼は、ヨットで単独世界一周を競う「Golden Globe Race 」に参加していたという。
しかし9月21日、レース中に嵐に遭遇。メイン・マストが折れ、航行することが不可能になり、Tomyさん自身も背中にひどいケガを負ったそうだ。
このためヨットはオーストラリア西部から3704km離れた沖合で漂い続け、Tomyさんも船内の寝台の中で過ごし続けたとされている。
最も近い船でも到達までに数日
Tomyさんは衛星通信機器を使って、テキストメッセージを送信。これにより主催者もヨットが航行不能になったことを知ることができたという。
ただしメインの衛星電話はダメージを受けており、TomyさんもVHFの短波無線や2番目の衛星電話にも手が届かない状態だったとか。
またヨットはかなり遠くに位置しているため、最も近い地点にいると思われるフランスの漁業パトロール船でさえ、数日にならないとヨットにたどり着けなかったそうだ。
このため23日にはインドやオーストラリアから2機の軍用機が離陸。ヨットの上空に到達し、マストが折れていることが確認されたが、Tomyさんの状態などそれ以上の情報は得られなかったと言われている。
さらにオーストラリア国防軍もレスキュー活動の支援を表明。同じく23日にフリゲート艦「HMAS Ballarat」がヨットに向けてパースの港を出港したという。
嵐が来る前に主催者側と話し合う
Tomyさんとレースの主催者は、事故が起きる前に嵐が来ることを話し合っており、彼がなんとか乗り切れるという結論に至ったとされている。
しかし嵐は風速36mにも達し、波の高さも14mになった結果、今回のような事態となってしまう。彼は船内で動くこともできず、食べることも水分を補給することもできず、ただ救助を待ち続けたそうだ。
そして24日、ついにフランスの船「Osiris」がヨットに到達。Tomyさんは救助され、ストレッチャーに乗せられ、医者の診察も受けたとみられている。
インド海軍のスポークスマンによれば、Tomyさんには意識もあり、安全が確認されたという。
その後、Tomyさんはオーストラリア海軍のフリゲート艦に乗せられたようだが、このような救出が成功したのも各国が協力したからに違いない。(了)
出典元:INDEPENDENT:International rescue operation underway to help injured sailor stranded over 2,000 miles off coast of Australia(9/23)
出典元:VOA:International Rescue Mission Launched for Injured Indian Sailor(9/23)
出典元:BBC:Abhilash Tomy: Injured Indian sailor rescued by French vessel(9/24)