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米国で女性が人間の脳を食べるアメーバにより死亡、感染の理由は鼻うがいか

米国で女性が人間の脳を食べるアメーバにより死亡、感染の理由は鼻うがいか
Unsplash

米国で脳を食べるアメーバに感染した女性が死亡し、その感染経路が“鼻うがい”にあったのではないかとして注目されている。

 

水道水を用いた鼻うがいによる感染

 

脳を食べるアメーバに感染して死亡したのは、米国ワシントン州シアトル在住の69歳の女性で、名前は明かされていない。

 

女性は副鼻腔炎に悩まされており、医師の勧めにより“ネティポット”と呼ばれる鼻うがいのための道具を数カ月間にわたり使用していたという。

 

しかしこの際に女性は水道水を使用。通常ネティポットを用いた鼻うがいの際には、減菌水か生理食塩水を用いることが推奨されている。

 

Twitter/The Points Guy

発疹発現から1年後に現れた発作

 

一方、水道水を用いた鼻うがいをそのまま続けていた女性の鼻には、その後赤い発疹のようなものが。

 

再び医師の元へと足を運んだ女性は、抗生物質を含んだ軟膏を処方されるも、その使用を続けても症状は改善されぬままだったという。

 

さらに発疹が最初に現れてから約1年後、女性は左半身に震えが起きるという発作を経験し、CTスキャンを受けることに。

 

すると女性の脳内に1.5センチメートルほどの小さな損傷があることが判明したという。

 

当初医師らはこれを腫瘍と疑うも、数日間のうちに損傷は拡大。さらに新たな損傷部も現れ始めたため女性の脳を切開してみると、アメーバに感染していることが発覚したという。

 

まだ謎が多いアメーバ

 

今回女性が感染したアメーバは、「バラムチア・マンドリルリス」と呼ばれる種のもの。

 

このバラムチア・マンドリルリスは、感染すると数週間から数カ月の間で脳内に深刻な感染症状をもたらし、その致死率は89%以上。非常に危険なものとして知られている。

 

しかしバラムチア・マンドリルリスへの感染は、死の直前か死後まで判明しないことがほとんどとされている。

 

そのためこの感染を知りながら医師が処置した症例は乏しく、人がどのように感染するのかということもあまり知られていないという。

 

一方、今回亡くなった女性の感染経路については、女性が鼻うがいの際に使用した水道水の中にバラムチア・マンドリルリスが潜んでいたことが疑われている。

 

しかしこの報告書を執筆した医師のCharles Cobbs氏は「これは非常にまれなことで、これまで聞いたこともない」とコメントしている。

 

これが最初に発見されたのは1986年のことで、1993年以来米国では少なくともバラムチア・マンドリルリスへの感染症例が70件報告されているという。

 

またこの感染により死亡に至った近年の事例としては2015年のものが知られており、この際に亡くなった米国ジョージア州アトランタ在住の6歳の少年は、感染症状を発症してからわずか2週間で死に至ったという。

 

脳を食べるアメーバはこれ以外にも

 

一方、脳内に深刻な感染症状をもたらすアメーバは、バラムチア・マンドリルリスだけではない。

 

これと類似した症状をもたらすアメーバとしては、ネグレリア・フォーレリという種のアメーバも知られており、こちらも一たび感染すれば非常に高い確率で死に至る恐ろしいものだ。

 

また女性が死亡した事例と同様に、ネグレリア・フォーレリへの感染経路も鼻とされる。

 

鼻の粘膜にネグレリア・フォーレリが潜む水の飛沫が付着することで感染へと至る一方、水を飲んでも感染しないといわれている。

 

鼻うがいから脳を食べるアメーバに感染してしまい、死に至ったという恐ろしい事例。

 

しかしこのようなことは、推奨されている正しい方法で鼻うがいを行っていれば防げたことだ。ネティポット使用の際にはくれぐれも気を付けたいところだ。(了)

 

 

出典:CNN:Fatal brain-eating amoeba may have come from woman’s neti pot(12/7)

出典:People:Woman Contracted Rare and Fatal Brain-Eating Amoeba After Using Neti Pot with Tap Water: Doctor(12/6)

出典:Wired:脳を食べるアメーバ、温暖化で生息域が拡大中(10/17)

出典:TABI LABO:【号泣】亡くなった6歳の息子が、両親に遺した「天国からの手紙」(2015/10/10)

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