米国の寿司店2軒で天かすが自然発火し火災に【動画】
米国ウィスコンシン州の寿司レストラン2軒で火災があった。出火原因はどちらも意外なもの——巻き寿司に使う天かす(揚げ玉)だった。
天かすが自然発火する様子が、調理場の防犯カメラに映っていた。
火元不明だった2つの火災
今年の4月5日、ウィスコンシン州マディソン市の日本食レストラン「Sumo Steakhouse and Sushi Bar(スモウステーキハウス・アンド・スシバー)」が火事になった。5月10日には、同市の「Takara Japanese Restaurant(タカラ・ジャパニーズレストラン)」が焼けたという。
どちらの火災もこれまで火元がわからなかったが、消防署の調査の結果、料理に使う天かす(揚げ玉)が自然発火したと判明した。火元の特定を行ったKara Nelson火災調査官は、海外メディアにこう話している。
料理人は天かすを何回かに分けて大量に揚げます。揚げた天かすは、水切り用の器(コランダー)やザルに入れられます。つまり、1回揚げるごとに、そこに天かすが盛られていき、どんどん熱がこもっていくわけです。
そうやって熱が蓄えられ、発火温度を超えた時点で燃え出したのです。
店内に設置された防犯カメラには、調理人が立ち去った6時間後に天かすが燃え出す様子が映っている。
Security Cam Footage: "Crunch" Fire at Local Restaurant
Investigation into two separate restaurant fires this spring turned up a surprising conclusion: The fires were caused by a food preparation technique wherein the oil used to make a tempura-like “crunch” self-heats and spontaneously combusts. DETAILS: https://www.cityofmadison.com/news/food-prep-technique-to-blame-for-several-recent-restaurant-fires
City of Madison Fire Departmentさんの投稿 2019年7月11日木曜日
また、天かすを入れてあった器(コランダー)の写真が、マディソン市のサイトに掲載されている。
天かすが自然発火するとは知らなかった
火災調査官であるKara Nelsonさんは、自然発火という現象はもちろん知っていたが、「この食材(天かす)でそれが起こるとは知らなかった」と言う。
今回の2件の火災で死者もけが人も出なかったが、被害総額は合わせて57万5,000ドル(約6,000万円)におよんだ。
揚げた天かすは1カ所に集めておかず、クッキングペーパーなどの上に広げて冷ますように、というのがNelsonさんからのアドバイスだ。
ちなみに、札幌市消防局消防科学研究所が、天かすが自然発火する動画をYouTubeに上げている。
(了)
出典元:Mail Online:Deep fried tempura flakes are spontaneously bursting into flames, setting sushi restaurants on fire(7/17)
出典元:News Tribune:Sushi restaurant fires caused by ingredient’s spontaneous combustion(7/13)