モーリシャスの浜辺に17頭の死んだイルカが打ち上げられる、重油流出が原因か【動画】
日本のタンカーが座礁し、大量の重油が流出したインド洋の島国・モーリシャスで、17頭のイルカが浜に打ち上げられ、死んでいるのが発見された。
ビーチに打ち上げられ死んでいた
日本の商船三井がチャーターしていたタンカー「WAKASHIO」は、7月25日にモーリシャスの街、ポワント・デスニーの沿岸にあるサンゴ礁で座礁。その後、大量の重油が美しい海に流出した。
そして現在も地元の人々や環境団体などにより、海から油を取り除く作業が続けられている。
そんな中、8月26日にはこの海域のビーチに17頭(18頭との報道も)のイルカが打ち上げられ、死んでいるのが確認された。地元ではイルカの死の原因を巡り、議論が起きているという。
Seen at Petit Sable💔
Abhii ShEkさんの投稿 2020年8月25日火曜日
イルカの死因を巡り、意見が分かれる
海洋学者のVassen Kauppaymuthoo氏は、死んだイルカには原油の臭いがしたと語っており、環境保護活動家のSunil Dowarkasing氏は、原油流出と、モーリシャス当局によってタンカーが海に沈められたことの両方が、イルカの大量死の原因だと述べている。
一方、水産省の大臣は、「一見したところでは、イルカの死は重油流出とは関係があるようには見えない」と発言。少なくとも2頭のイルカには、サメに噛まれた痕があったと語った。
また他の死んだイルカにも体に複数の傷があり、あごの周りには血が流れていたと主張。さらに専門家は、イルカが重油を飲み込んだ形跡は見られなかったと述べたそうだ。
しかしSNSに投稿された動画や写真などには、口の回りが重油で覆われたイルカの姿も映っていたという。
打ち上げられたイルカの多くは死んでいたが、中には弱っていたものや、死につつあったものもいたという。また生き残ったイルカも非常に疲れているように見え、ほとんど泳げなかったそうだ。このため現在も、死んだイルカの検死が進められている。
Marée noire : désastre dans le Sud-est, des dauphins morts et d’autres en difficulté retrouvés sur nos côtes, notamment à Grand Sable
TOP FM Mauritiusさんの投稿 2020年8月25日火曜日
これほど多くのイルカが死ぬのは珍しい
もっともこの地域では、これほど大量のイルカが同時に死んでいるのが目撃されるのは、非常に珍しいという。2019年に、2頭のイルカが死んでいるのが発見されている。
また重油が流出してから、イルカの死が確認されたのは初めてで、イルカ以外の動物、魚やカニなども多く死んでいるそうだ。
このため地元の人々は怒りを露わにしており、住民のNitin Jeehaさんも次のように述べている。
「今朝目覚めて、多くのイルカが浜辺で死んでいるのを見ました、悪夢よりもひどいです。私は8頭から10頭のイルカが死んでいるのを見ました。この環境では、まだ多く(の死んだイルカ)が環礁にいるのでしょうか?」
「Greenpeace Africa」は、すでに数千種の海洋生物が重油の流出で危険にさらされていると警告しており、Kauppaymuthoo氏も「私の意見では、時間が経つにつれて、さらに状況は悪化し続けるだろう」と述べている。(了)
出典元:BBC:Mauritius: Anger and questions as 17 dead dolphins wash ashore(8/26)
出典元:REUTERS:17 dead dolphins wash up on Mauritius beach near oil spill site(8/26)
出典元:Forbes:Anger As Dead Dolphins Wash Up On Mauritius Beaches A Day After Wakashio Oil Ship Deliberately Sunk(8/26)