ISS内から空気が漏れ出していることが判明、原因箇所はいまだ特定できず
国際宇宙ステーション(ISS)で、空気が漏れ出す事態となり、現在乗組員らにより漏出箇所を特定する作業が進められている。
ロシア棟内で漏出か?
実はISSでは数週間前から、空気が漏れ出しており、乗組員が原因箇所を特定しようとし続けてきたという。
しかし9月28日、ISS内の温度にも変化が見られ、空気の漏れ出る量が増えたと考えられたため、捜索が強化されたそうだ。(ただしこの時のデータは誤っていたと見られている)
その後、地上管制チームが、空気が漏れ出す箇所を分析。この結果、「Zvezda」と呼ばれるロシアのモジュール(棟)内にあるメインの作業エリアから漏れ出ていることが判明する。
乗組員に直ちに危険が及ぶことはない
このモジュールにはISSにおける生命維持装置が置かれ、また2人の乗組員の居住区にもなっているという。
ただし、まだ漏れ出た箇所が正確に掴めたわけではない。正確な漏出箇所をピンポイントで特定するには、更なる分析が必要だとされている。
NASAは現在の空気の漏れる割合からして、乗組員に直ちに危険が及ぶことはないと強調。同時に、進行中の乗組員の作業予定もわずかな「遅れ」にしかならないと述べている。
またCNNでも、漏れている空気の量は微量だと伝えている。
一晩中、漏れの原因を特定してきた
NASA宇宙飛行士でコマンダーのChris Cassidy氏、さらにロシアの2人の乗組員らはロシア・モジュール内のさまざまな場所でデータを収集するために、ロシアのセグメント(区画)へ移動するよう指示されているという。
そして乗組員は、超音波漏れ検知器を使用してデータを収集しながら、「Zvezda」の後部と前部の間のハッチ、そして他のコンパートメントやモジュールへの通路を1つずつ閉じたそうだ。
このような作業はこの1カ月以上の間に、すでに3回も行われており、乗組員は一晩中、圧力測定値を分析して、漏れの原因を特定しようとしてきた。
このような空気の漏出はこれが初めてではない。2018年8月には宇宙飛行士が、当時ISSにドッキングされていたロシアのソユーズ宇宙船の一部に2mmのドリル穴を発見している。(了)
出典元:BBC:Space station crew woken up to hunt for air leak(9/30)
参考:CNN:ISS、ロシアのモジュールで微量の空気漏れを確認(10/1)