ジェームス・ウェッブ宇宙望遠鏡に微小隕石が衝突、鏡の一部が破損
現在、宇宙空間にあるジェームス・ウェッブ宇宙望遠鏡の鏡に、小さな岩石の破片が衝突した。
18枚の鏡のうち1枚に衝突
この衝突が起きたのは、5月23日から25日の間と考えられている。
分析では、ウェッブ宇宙望遠鏡の幅6.5mの主反射鏡を構成する18枚のベリリウム金のタイルのうちの1枚に、微小隕石が衝突したという。
その一枚はC3と呼ばれるセグメント(区画・位置)で、Nasaによれば、この衝突によりセグメントに「くぼみ」ができたという。
このダメージは、観測データに顕著な影響を及ぼしているが、ミッション全体に影響を及ぼすことはないと予想されている。
これまで5回、衝突していた
宇宙では物体の移動速度が速いため、小さな粒子でも他の物体に衝突すると大きなエネルギーを与えることができるという。
今回の衝突したものも、塵ほどの微小隕石と考えられているが、これまで5回あった衝突の中で最も重大な出来事になったと考えられている。
ウェブ宇宙望遠鏡は現在、その能力を実証するために、近距離、または遠距離の宇宙の観測データを集めており、7月には、これらの写真を世界に向けて発表する予定となっていた。
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— NASA Webb Telescope (@NASAWebb) June 4, 2022
オープンな設計、衝突の可能性も想定
もともとウェブ宇宙望遠鏡はオープンな設計で、ハッブル望遠鏡など他の宇宙望遠鏡で見られるような筒状のバッフルで鏡が守られているわけではない。
その代わりに、赤外線を検出するのに必要な、安定した低温を維持するために、反射鏡は巨大なサンシールドの後ろに設置されているという。
また、微小な隕石が衝突する可能性も想定し、素材の選択、部品の構造、望遠鏡のさまざまな運用方法にこのような不測の事態を織り込んでいるそうだ。
ただ今回の衝突では、影響を受けたミラーのセグメントを取り外すことはできず、エンジニアが歪みの一部を打ち消すために、ミラーの位置を調整することになっている。(了)
出典元:BBC:James Webb Space Telescope hit by tiny meteoroid(6/9)