【アメリカ】カンザス州で熱波により2000頭の牛が大量死、急激な気温変化などが原因
アメリカのカンザス州では、熱波により、これまでに多くの牛が死んだと報告されている。
先週末にかけて牛の大量死
カンザス州保健環境局がABCニュースに語ったところによると、6月14日の時点で少なくとも2000頭の牛が死亡しているという。
これは6月11日と12日に猛暑と高い湿気が続いたためで、牛の大量死は先週末を通して起こったそうだ。
カンザス州立大学の准教授であるAJ Tarpoff氏は、複数の要因が熱ストレスを引き起こし、牛を死亡させたと、ABC Newsに語っている。
気温と湿度が上昇、風速も低下
Tarpoff氏によれば、当時は気温が急上昇し、湿度も急上昇したが、風速は低下していたという。
しかもこのような状況は、カンザス西部のこの地域ではかなり珍しいことで、1日以上続いたそうだ。
Tarpoff氏は「夜間の気温が通常より高かったため、牛が熱ストレスに対抗するために必要な通常の冷却時間が得られなかった」と述べている。
牛が気温の変化に順応できなかった
カンザス家畜協会の広報担当者であるスカーレット・ヘイギンズ氏によれば、6月11日の夜に10度から15度の気温の急上昇があったという。
この地域にとっては急激な気温の上昇であり、風もほとんどなく、一晩中気温が下がらなかったそうだ。その上でハギンズ氏は「あまりの(変化の)速さに牛が順応する時間がなかった」と語っている。
一方、Tarpoff氏は、牛は一般的に順応性のある動物だが、今回の気象現象は急激な温度変化のため、特にストレスがかかったとし、次のように語っている。
「牛は丈夫な動物で、世界中のあらゆる天候に適応することができます。ただ(春の季節から)適応する時間がない動物もいましたし、まだ冬毛が脱け落ちている途中の牛もいました。今後は風さえ続けば、牛はすぐに適応できます。全ては夜間の冷却時間と風速にかかっています」
Hagins氏は、カンザス州では毎年550万頭の牛が取引されており、この2000頭が失われたとはいえ、市場価格や牛肉のサプライチェーンに影響を与えることはないだろう、との見方を示している。(了)
出典元:ABC News:Thousands of cattle dead amid continuing heat wave(1/17)