【メキシコ】失踪した息子を探していた母親、麻薬組織の支配地域で殺害される
メキシコで、失踪した息子を探していた母親が殺害された状態で発見された。
麻薬組織が支配するエリア
殺されたのは、ロサリオ・ロドリゲス・バラザさん。
彼女の遺体は8月30日に、メキシコ北部の町、シナロア州にある自宅近くで発見されたという。
バラザさんは活動家のグループと協力して3年前に失踪した息子の遺骨を探す作業をしており、殺された場所は、残忍な麻薬組織の一つである「シナロア・カルテル」が支配するエリアだったそうだ。
この組織は以前、「エル・チャポ」と呼ばれた麻薬王、ホアキン・グスマンによって率いられてきたと言われている。
20歳で誘拐された息子
バラザさんの息子、フェルナンド・ラミレス・ロドリゲスさんは、2019年10月にシナロア州の町、ラ・クルスで誘拐されたという。
路上で武装した男たちにさらわれた時、彼は20歳だったそうだ。
しかし警察の正式な捜査では結果が出ず、当局は彼が生きているかどうかさえ判断できなかった。
以来、バラザさんは、同じように子供を誘拐された母親たちで構成された活動グループに所属し、息子の遺体を探し続けてきたという。
Rosario Lilián fue asesinada mientras buscaba, con el estrés de no encontrar a su hijo y la angustia de ser perseguida, pese a que las autoridades conocían de su situación. pic.twitter.com/pnZMCFuj6L
— #HastaEncontrarles (@Encontrarles) August 31, 2022
「犯人を捜しているのではない」
しかしほとんどの捜索者は、自分たちが麻薬組織の標的にならないようにするため、愛する人を殺した犯人の証拠を探しているのではなく、気持ちの決着を求めていると公言してきたそうだ。
活動グループ「Hasta Encontrarles」が投稿した動画においても、バラサさんは「私は息子を捜しているのであって、犯人を捜しているのではない」と述べている。
にもかかわらず、ボランティアの捜索者は殺害されており、2021年以降、バラザさんは3人目の犠牲者となってしまった。
メキシコでは10万人が失踪しているとされ、そのほとんどは2006年にメキシコで麻薬戦争が始まった後に行方不明になっているという。(了)
出典元:METRO:Mum killed while looking for missing son in El Chapo’s old territory(9/2)