鳥インフルでホッキョクグマが死亡、世界で最初のケースを確認
昨年、アメリカ・アラスカ州のノース・スロープ郡で、死んでいるホッキョクグマが見つかり、死因が調べられた。
高病原性鳥インフルエンザが死因
そのホッキョクグマは昨年10月、アラスカ州最北端の集落、「Utqiagvik」付近で死んでいるのが発見されたという。
その後、ノース・スロープ郡野生動物管理局や他の機関によるサンプリングと研究が行われ、ホッキョクグマの体の組織からウイルスを発見。
12月初旬には、高病原性鳥インフルエンザが死因であることが確認された。
ホッキョクグマが鳥インフルで死亡した例が報告されたのは、世界でもこれが初めてとされ、その後このケースは国際獣疫事務局に報告され、他の北極圏諸国でも注目を集めたという。
死んだ鳥を漁っていた
ホッキョクグマは通常、海で狩ったアザラシを食べるが、このクマは死んだ鳥を漁っていたとされ、それによりインフルエンザ・ウイルスに感染した可能性が高いと考えられている。
また環境保護省によると、ノース・スロープ郡のさまざまな種の鳥が、この鳥インフルエンザにかかり、多数死亡したという。
アメリカでは2014年から2015年にかけて、高病原性鳥インフルエンザが発生し、一部の野鳥への感染を確認。その後、すぐにヨーロッパでも、インフルエンザによる鳥の死滅が始まったそうだ。
ただし現在のウイルスのバージョンは、野鳥やその他の野生生物に対する影響において、前例のないほど強いと考えられている。
ホッキョクグマは、気候変動により減少する海氷に依存しており、2008年には絶滅危惧種に指定された。(了)
出典元:Anchorage Daily News:Avian influenza death of Alaska polar bear is a global first and a sign of the virus’s persistence(2023/12/31)