米で「オオスズメバチ」の脅威高まる、欧州ではミツバチが襲われ30%も減少
アメリカやカナダで、アジアに生息している「オオスズメバチ」が目撃され、農業などへの影響が懸念されている。
昨年12月には4匹確認
ニューヨーク・タイムズ紙によれば、アジアの「殺人スズメバチ」と呼ばれる「オオスズメバチ」は、昨年の12月まではアメリカで目撃されていなかったという。
しかし、12月時点でワシントン州の農業局は、BlaineやBellinghamの街で4匹の目撃情報を確認。カナダのブリティッシュ・コロンビア州でも2019年の秋に「オオスズメバチ」の報告があったそうだ。
そのため今後、農業に影響を及ぼすのではないかと懸念されている。
ミツバチに頼る農作物に影響
「オオスズメバチ」の大きさは3.8cmから5cmほど。腹部に黄色と黒の縞模様があり、大きなオレンジ色と黄色い頭をしているという。
またミツバチを襲い、その巣を破壊するとされ、死んだミツバチの首を切り、巣を奪って自分たちのものとして使い、死んだミツバチさえ幼虫のエサにすると言われている。
しかも「オオスズメバチ」はわずか数匹で、ミツバチの巣を破壊できるとか。このためもし、このまま州内やアメリカ国内で「オオスズメバチ」が広がっていけば、ミチバチの受粉に頼っている農作物などは深刻な影響を受ける可能性があるという。
ただ現時点では、どのようにして「オオスズメバチ」がアメリカ国内に入ってきたのかは明らかになっていない。
ヨーロッパではミツバチが30%減少
ワシントン州立大学の研究者らは、「オオスズメバチ」が4月から活動的になり、毎年夏の終わりから秋にかけて、より破壊的になるとしている。
ヨーロッパでは外来種のスズメバチにより、ミツバチの30%が減ったと言われており、蜜の生産量も3分の2まで減少したという。
このためワシントン州の農業局は、罠を仕掛けて「オオスズメバチ」を捕獲する大規模なキャンペーンを計画しているそうだ。
しかし同時に人々に対しては、「オオスズメバチ」を見つけても、決して1人で捕まえないよう呼び掛けている。(了)
出典元:TIME:Invasive ‘Murder Hornets’ Have Appeared in the United States and Officials Worry They’re Here to Stay(5/2)