ヨーロッパ・ハムスターがレッドリスト入り、今後30年で絶滅の可能性も
ヨーロッパに生息する野生のハムスターの個体数が減少しているため、絶滅が危惧される動物のリストに追加された。
生息域での人間の影響を調査
ヨーロッパ・ハムスター(クロハラハムスター)は、人間に飼われている「ゴールデンハムスター(Syrian hamsters)」や、「ドワーフハムスター」といった種類の親戚で、体は最も大きい部類になるという。
しかしここ数年、この野生のハムスターの個体数が減少。このため生息地における人間の影響が調査されたそうだ。
その結果、「国際自然保護連合(International Union for Conservation of Nature:IUCN)」では、地球温暖化や工業化、光の害、プランテーションなどが、減少の原因になっていると発表した。
その上で今回、「IUCN」のレッドリスト(critically endangered:近絶滅種)にヨーロッパ・ハムスターが加えられたという。
メスが産む子供の数が大幅に減少
このハムスターの個体数は、フランスのアルザス地方やドイツ、東ヨーロッパのエリアで、最大75%まで減少。
この理由として、メスのハムスターが一度に子供を産む数が、減少している点が挙げられている。
「IUCN」によれば、20世紀ではメスのハムスターは1年で平均20匹の子供を産んでいたが、今では1年で5、6匹しか生まないという。
そのため専門家は、もし何も対策をとらなければ、次の30年にはこの種のハムスターが絶滅する可能性があると指摘している。(了)
出典元:BBC:European hamster added to ‘critically endangered’ list(7/10)
出典元:The Guardian:European hamster and caterpillar fungus on brink of extinction(7/9)