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南アでシロサイの野生復帰プログラムを実施へ、2000頭を自然に放つ予定

南アでシロサイの野生復帰プログラムを実施へ、2000頭を自然に放つ予定
flickr_Marie Hale

南アフリカで、野生復帰プログラムとして、数多くのサイが自然に放たれることになった。

 

アフリカ最大級の「再野生化」プログラム

 

南アフリカの自然保護団体「アフリカン・パークス(African Parks)」は、アフリカ最大級の野生復帰プログラムとして、2000頭のミナミシロサイを野生に戻すと発表した。

 

「アフリカン・パークス」は、すでに世界最大級とされるサイの私営飼育場「Platinum Rhino」を買収しており、この「再野生化」プログラムは今後10年間かけて行われるという。

 

現在、アフリカのサイの個体数は、違法な象牙取引による密猟や、生息地の喪失といった要因によって激減している。

 

保護団体が資金を調達し、購入

 

「Platinum Rhino」は、南アフリカの自然保護活動家であるジョン・ヒューム氏が所有していたという。

 

しかし財政難から、4月26日に競売にかけられたが、入札はなく、新たな所有者が決まっていなかった。ヒューム氏も当時、メディアの取材に対して、次のように呼びかけていた。

 

「私は30年間、この個体群やサイのために人生の貯蓄のすべてを費やしてきました。スーパーヨットを所有するよりも、むしろサイの個体数を絶滅から救いたいと思う億万長者がいることを望んでいます」

 

このため「アフリカン・パークス」は、緊急資金を確保。「Platinum Rhino」が所有する7800ヘクタールの土地と、絶滅の危機に瀕している2000頭のサイを購入したという。

 

「アフリカン・パークス」の最高経営責任者(CEO)であるピーター・ファーンヘッド氏は、次のように語っている。

 

「この事業の規模は単純に巨大であり、それゆえに困難です。しかし、それは同時に、最も重要な課題の1つでもあり、最もエキサイティングで世界的に戦略的な保全の機会でもあります。私たちは、この再野生化ビジョンの実現に尽力する複数の政府、資金提供パートナー、保護団体と協力していきます」

 

20世紀初頭には50万頭もいた

 

世界自然保護基金(WWF)によると、20世紀初頭には50万頭ものサイがアフリカとアジアを闊歩していたという。

 

しかし、アフリカサイ専門家グループ「AfRSG」の調査では現在、アフリカには推定2万2137頭のサイしか生息しておらず、そのうち1万5942頭がシロサイとされている。

 

南アフリカはアフリカ最大のサイの生息地であり、またサイは近隣のナミビア、ジンバブエ、ケニアでもよく目撃されているそうだ。(了)

 

出典元:The Guardian:South African conservation NGO to release 2,000 rhinos into the wild(9/6)

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