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イスラエルによる大量虐殺について、国際司法裁判所で審理を開始

イスラエルによる大量虐殺について、国際司法裁判所で審理を開始
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南アフリカが提訴した国際司法裁判所での公開ヒアリングが開始され、イスラエルのガザ地区における大量虐殺について審理されることになった。

 

2日間にわたる審理を開始

 

1月11日、オランダのハーグにある国連国際司法裁判所(ICJ)において、イスラエルのガザ地区における行為について2日間にわたる審理が始まった。

 

国際司法裁判所のジョーン・ドナヒュー所長は今回、特別裁判官として南アフリカのディッガン・アーネスト・モセネケ判事と、イスラエルのアハロン・バラク判事を参加させた。

 

イスラエルを提訴した南アフリカの代表団は、審理の冒頭、「イスラエルによって殺害された民間人の数や、ベンヤミン・ネタニヤフ首相を含む政治・軍事指導者の発言にも大量虐殺の証拠が存在する」と主張。

 

その主張を裏付けるように、パレスチナ人の集団墓地の写真やガザ地区での残骸を飾るイスラエルの国旗、そして大量虐殺への支持を表明し、「(テロに)関与していないパレスチナ人はいない」と主張するネタニヤフ首相や軍指導者の動画があると訴えたという。

 

その上で南アフリカの弁護士、アディラ・ハシム氏は法廷で「大量虐殺行為の主張を正当化する議論の余地のない行動パターンと、関連する意図を示す、過去13週間(昨年10月7日から)の証拠がある」と主張。

 

同じく代理人であるテンベカ・ヌクカイトビ氏も「イスラエル国内では、あらゆる面で大量虐殺的な言論が繰り返され、大量虐殺の意図を持った証拠はゾッとするだけでなく、圧倒的に多く、議論の余地がない」とも述べたという。

 

 

イスラエル側はこの訴えを退けると見られているが、もし大量虐殺または大量虐殺の意図に関する容疑で有罪となれば、国際社会におけるイスラエルの立場が変わることになるとも考えられている。

 

ただガザ地区では、国際機関によるいかなる決定も変化をもたらすことはない、と考える人々もいるそうだ。

 

ガザ中部と南部で攻撃が続く

 

ガザ地区の中部と南部では、イスラエル軍の攻撃が続き、多くのパレスチナ人の犠牲が出ている。

 

ガザ地区南部の町、ラファでは避難していた人々の住む建物が、イスラエル軍による攻撃で完全に破壊され、9人のパレスチナ人が殺害されたという。

 

しかも負傷者も多く出ており、大半は治療のためアル・ナジャール病院に搬送されたそうだ。

 

また同じく南部のハンユニスのアルマナラ地区では、イスラエル軍の砲撃が車を直撃し、複数のパレスチナ人が死亡した。正確な死傷者数は分かっていない。

 

さらにイスラエル軍は、ガザ地区中部にあるヌセイラト難民キャンプの北側でも砲撃を続けているという。

 

他の紛争よりも1日の犠牲者が多い

 

飢餓撲滅などの活動を続けている国際援助機関「Oxfam」は先日、21世紀のさまざまな紛争における1日当たりの平均死者数のリストを発表。その中でも、ガザ地区での1日あたりの犠牲者数が、他の紛争を大幅に上回っていると明らかにした。

 

1日当たりの平均死者数は、シリアで96.5人、スーダンで51.6人、イラクで50.8人、ウクライナで43.9人、アフガニスタンで23.8人、イエメンで15.8人だった。

 

その上で「Oxfam」は声明を発表し、「イスラエル軍は1日平均250人のペースで、パレスチナ人を殺害しており、これは近年の他の大規模な紛争による1日当たりの死者数を大幅に上回っている」と述べた。

 

さらに「Oxfam」は報告書の中で「ガザ地区のパレスチナ人の命が、飢えや病気、寒さ、そしてイスラエル軍の砲撃によって危険にさらされている。必要な食料のわずか10パーセントしかガザ地区に入ることができない」と明らかにした。

 

ガザ地区の保健当局によれば、過去24時間(1月11日)でイスラエル軍は10件の大量殺人を犯し、112人が死亡、194人が負傷したという。

 

また10月7日以来、少なくとも2万3469人のパレスチナ人が死亡、5万9604人が負傷したと明らかにした。(了)

 

出典元:Al Jazeera:Israel’s war on Gaza live: ‘Deadliest conflict in 21st century’, says Oxfam(1/11)

出典元:The Guardian:Israel shows ‘chilling’ intent to commit genocide in Gaza, South Africa tells UN court(1/11)

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