ロシアで反戦を唱える政治家が、大統領選への立候補を禁止される
ロシアで反戦を唱える人物が、大統領選に立候補しようとしたのだが、不正が見つかったとして選挙管理委員会から、出馬禁止にされた。
「ウクライナ侵攻は間違い」
その人物とは、ボリス・ナデジディン氏(60)だ。
反プーチン派と交流のあるベテラン政治家のナデジディン氏は、「プーチン大統領がウクライナで、特別軍事作戦を開始したという致命的な間違いを犯した」と主張。
2024年の大統領選挙に立候補するため、10万人以上の署名を集め、選挙管理委員会に提出したという。
しかし選挙管理員会は2月5日、ナデジディン氏が提出した支持者の署名の15%が無効だと発表。2月7日には、署名の9000件以上に「不正」が見つかったとし、立候補を禁止にした。
❗️ Boris Nadezhdin was removed from the Russian presidential election due to invalid signatures
The Central Election Commission invalidated 9,147 signatures in support of Boris Nadezhdin.
The CEC checked 60 thousand signatures, the permissible percentage of defects by law is… pic.twitter.com/thuPWIxaiv
— NEXTA (@nexta_tv) February 8, 2024
最高裁に異議申し立てを行う予定
もっともプーチン大統領が完全に支配しているロシアでは、このようなことは予想されており、例えナデジディン氏が立候補できたとしても、選挙で不正が行われ、プーチン氏が勝利すると考えられている。
しかし選挙管理委員会の決定に対し、ナデジディン氏は最高裁判所に異議を申し立てるとしており、テレグラムにおいても、次のように述べた。
「中央選挙管理委員会の決定には同意できない。2024年の大統領選挙に参加することは、私の人生で最も重要な政治的決断だ。私は自分の意図を撤回するつもりはない」
ナデジディン氏はこれまで一般国民の間で無名の政治家だったが、野党の政治家で活動家でもあるアレクセイ・ナワリヌイ氏の支持者からも支援を受けているという。
このためロシア国営メディアはここ数週間、ナデジディン氏に対する中傷キャンペーンを強化しているそうだ。
また反戦を訴えているもう一人の候補者、エカテリーナ・ドゥンツォワ氏も、スペルミスなど書類上の誤りの疑いで、すでに選挙管理委員会によって立候補を禁止されている。(了)
出典元:The Guardian:Russian anti-war candidate Boris Nadezhdin banned from election(2/8)