英外相、イスラエルへの武器輸出を停止しないと発言
イギリスのデービッド・キャメロン外相は5月12日、イスラエルへの武器輸出を停止しないとの考えを示した。
「武器輸出停止は賢明な道ではない」
アメリカのジョー・バイデン大統領は、イスラエル軍がガザ地区南部のラファへ本格的な侵攻を開始した場合、イスラエルへの武器と大砲の供給を停止すると述べている。
またイギリスの野党・労働党や人権団体も、イギリス政府がアメリカの方針に従い、イスラエルに対する、イギリス製の武器や部品の販売を停止すべきだと主張している。
しかしキャメロン外相は12日、BBCのインタビューにおいて、イスラエルへの武器輸出の停止は賢明な道ではなく、「ハマス」を強化させるだけだと述べたという。
“We don’t believe [Israel] should go in for a major operation in Rafah unless they have a plan to move people out of the way”
Foreign Secretary Lord Cameron says the UK government “don’t support” Israeli military action in Rafah
#BBCLauraKbhttps://bbc.in/4dzMJs2 pic.twitter.com/QQZkb9flwZ
— BBC Politics (@BBCPolitics) May 12, 2024
アメリカとは比較できない
キャメロン外相は、イスラエルがガザ南部の都市ラファを攻撃した場合、攻撃用兵器の供給を削減すると脅すつもりか、との質問に対し、「イギリスはアメリカと比べることはできない。なぜならアメリカとは異なり、イスラエルに対してわずかな量の武器しか供給していないからだ」と述べた。
また「イギリスが供給している武器は、全体の1%にも満たない」と主張。その上で、イギリスにはライセンス制度があり、「国際的な人権侵害の重大なリスクがあると判断された場合、ライセンスが廃止される可能性がある」と語ったそうだ。
その上でキャメロン外相は、「イギリスは、(パレスチナの)民間人をどのように保護するかについて明確な計画がなければ、ラファでの大規模な攻撃を支持しない」と述べたという。
またイギリス軍兵士が、人道支援のためにガザ地区に派遣されることも否定した。
輸出額は政府の推定より多い可能性
非営利団体「武器貿易反対キャンペーン」の報告書によれば、2015年以降、イギリスからイスラエルへの武器輸出の実質価値は少なくとも10億ポンド(約1950億円)で、政府の数字よりもはるかに多いと推定しているという。
またイギリスの軍需企業「BAEシステムズ」は、イスラエルが使用する「F-35」ステルス戦闘機の部品の約15%を提供しているそうだ。
その上で「武器貿易反対キャンペーン」は、最近のガザ空爆に、この戦闘機が使用されたと主張している。
イギリスでも昨年から大規模な親パレスチナのデモが行われ、参加者たちは政府に対し、イスラエルへの武器輸出を停止するよう求め続けてきた。(了)
出典元:ABC News:UK foreign secretary says halting arms sales to Israel would only strengthen Hamas(5/13)