カナダの国会議員選挙で史上初、得票数ゼロの候補者
カナダの連邦議会議員補欠選挙に立候補したFélix-Antoine Hamel氏が、歴史に名を残す人となった。得票数ゼロという、全く喜べない記録のせいだ。
得票ゼロで落選した最初の人物
先月下旬、カナダのToronto-St. Paul’s選挙区から立候補したHamel氏は、モントリオール市出身の45才のミュージシャン。今回の悲惨な結果についてメディアにコメントを求められ、こんなジョークを返している。
「結果を見た時には、『うーん、私は有権者の意見を完全にまとめ上げた候補者なのだな。全員が私に投票しないという意見でまとまったわけだから』と思いましたよ」
メディアによれば、Hamel氏はカナダ連邦議会選挙の歴史の中で、得票数ゼロで落選した最初の人物になるとのこと。記録上、得票数ゼロというケースは過去に何百もあるが、それは候補者が一人しかいなかった場合で、投票自体が行われずに当選となった。Hamel氏の場合は、実際に投票が行われても得票数ゼロだった。
本人も自分に投票せず
Hamel氏が立候補した理由は、現行選挙制度に反対する団体「Longest Ballot Committee」に所属する友人に勧められたからだそう。この団体は、Hamel氏を含めて84名もの候補者を立てたため、今回の選挙はカナダの歴史上最も候補者の多い選挙となった。
立候補者は、少なくとも自分への1票を投票するものだ。しかし、Hamel氏は立候補したToronto-St. Paul’s選挙区内に住んでいないため、投票権がなく、投票したくてもできなかったという。
選挙運動は全くせず、何も期待していなかった彼は、まさかこんな形で歴史に名を刻むとは思っていなかったそう。「何があってもカナダの歴史を作ることなどあり得ないだろう、と思われている人が世の中にはいますが、私もその一人なのです」とメディアに話す。(了)
出典元:UPI:Canadian candidate becomes the first to ever receive zero votes(6/28)
出典元:CBC News:Meet the 1st federal candidate in Canadian history to lose an election with zero votes(6/27)