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ルーマニアの大統領選挙でSNSにより意外な候補が1位、最高裁が無効と判断、やり直しを命じる

ルーマニアの大統領選挙でSNSにより意外な候補が1位、最高裁が無効と判断、やり直しを命じる
X_Daily Romania

ルーマニアの最高裁判所は、11月24日に行われた大統領選挙の結果を、無効とする判断を下した。

 

ロシアが何千ものSNSのアカウントを組織

 

ルーマニアでは11月24日に、大統領選挙の第1回の投票が行われたが、世論調査の予想を裏切り、極右のカリン・ジョルジェスク候補がリードし、2位となった中道右派のエレナ・ラスコーニ候補と決選投票が行われる予定となっていた。

 

しかし12月4日、クラウス・イオハニス大統領は、ルーマニア政府の情報局や対外情報局、特別通信局、内務省の情報ファイルを公開。そこでは、ロシアがTikTokやTelegramなどでジョルジェスク候補を宣伝するために、何千ものアカウントを組織したことが示されていたという。

 

そしてルーマニアの最高裁判所は12月6日、「ある候補者がSNSで優遇され、有権者の表明した意思が歪曲された」とし、第1回の大統領選の投票結果を無効にして、もう一度投票をやり直すよう、判決を下した。

 

「外国の支援を受けていた」

 

当初の世論調査では、大統領の最有力候補は与党・中道左派「社会民主党」のマルセル・チョラク首相で、2位はラスコーニ候補か、極右の「ルーマニア統一同盟」のリーダー、ジョージ・シミオン氏のどちらかになると予想されていたという。

 

つまりジョルジェスク候補は、最初から有力視されていなかったにも関わらず、得票率22.94%で首位に立ってしまったそうだ。

 

イオハニス大統領は、情報機関の報告書の内容について「深く懸念している」とし、「諜報機関の報告によると、この候補者の選挙運動は、ルーマニアと利害が対立する外国の支援を受けていた。これは深刻な問題だ」と述べた。

 

お金で他のユーザーを利用

 

ジョルジェスク氏のTikTokアカウントは、現在600万件の「いいね!」がつき、54万1000人のフォロワーがいるが、ルーマニアの情報当局は、彼が他の候補者よりもTikTokで優遇されたと主張している。

 

また情報当局は報告書の中で、あるTikTokユーザーがジョルジェスク氏のコンテンツを宣伝するために、他のユーザーに対し、38万1000ドル(約5800万円)以上を支払ったと指摘。

 

その結果、ジョルジェスク氏の人気を高め、加速させるために、積極的な宣伝キャンペーンが行われたと明らかにした。(了)

 

出典元:AP:Romania’s top court annuls first round of presidential vote won by far-right candidate(12/7)

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