米保健福祉省で大量解雇、約1万人が職場を追われる可能性

アメリカの保健福祉省で、多くの職員が解雇の通知を受け取り始めたという。
8万2000人から約6万2000人へ
ロバート・F・ケネディ・ジュニア保健福祉長官は数日前、タバコ関連の部門や、メンタルヘルス部門、職場の安全に関わる部門で働く職員を含む、1万人が職を失うと明らかにした。
そして実際、保健福祉省の職員は4月1日から、解雇の通知を受け取り始めたそうだ。
この大量解雇は、食品医薬品局(FDA)の職員3500人と、疾病管理予防センター(CDC)の職員2400人に影響を及ぼすと予想されており、この数は両部門の5分の1にあたる。
また早期退職または延期されていた退職プログラムを通じて、職場を去った約1万人を含め、保健福祉省の職員総数は8万2000人から約6万2000人になり、5分の1の職員が減ることになるという。
What a day. Started out by walking past the U.S. Department of Health and Human Services this morning and seeing these crazy long lines of staff waiting to get in. Turns out, many of them were notified that they were on leave or let go right around that time. pic.twitter.com/hplHDtKe6q
— Aneri Pattani (@aneripattani) April 1, 2025
職員が追い返されたケースも
解雇のニュースが広まると、ワシントンD.C.やメリーランド州、ジョージア州のオフィスの外には従業員が長蛇の列を作り、中には警備員が建物内に入れるかどうか判断するのに何時間も待つ人もいたそうだ。
また仕事を失ったと告げられた職員が、追い返されたケースもあったという。ケネディ長官は声明で、次のように述べている。
「今は、保健福祉省の全員にとって困難な時期です。職を失った方々に、心からお見舞い申し上げます。しかし現実は明らかです。私たちがやってきたことは、うまくいっていません。方向転換しなければなりません。保健福祉省は病気の治療だけでなく、予防を重視するよう再調整する必要があります」
ケネディ氏は、広範囲にわたる人員削減は「基本的な医療サービス」には影響しないと主張しているが、批評家らは、これほど短期間で大規模な削減が行われているため、対応できる可能性は低いと指摘している。
食品医薬品局(FDA)の長官を2期務めたロバート・カリフ氏は、次のように批判している。
「私たちが知っているFDAは終わりました。組織に関する知識と、製品開発と安全性に対する深い理解を持つリーダーのほとんどが、もはや雇用されていません。歴史はこれを大きな過ちとみなすと思います。それが間違いであれば嬉しいのですが、例えそうであったとしても、このように人々を扱う正当な理由はない」(了)
出典元:ABC News:Mass layoffs begin at HHS, some employees turned away after showing up to work(4/2)
