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【コンクラーベ】新教皇が決定、米出身の「レオ14世」とはどんな人物か?

【コンクラーベ】新教皇が決定、米出身の「レオ14世」とはどんな人物か?
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バチカンで行われていたローマ・カトリック教会の教皇選挙(コンクラーベ)で5月8日、故・フランシスコ教皇の後継者として、新たな教皇が選任された。

 

初のアメリカ出身の教皇

 

選ばれたのはアメリカのイリノイ州・シカゴ出身のロバート・フランシス・プレボスト枢機卿(69)だ。彼はその後、自らを「レオ14世」と名乗ると発表した。

 

「レオ14世」はアウグスティノ会の元会長で、今回ローマ・カトリック教会がアメリカ出身の指導者を迎えることになるのは、初めてとなる。

 

実はバチカンは長年、政治的超大国であると同時に、文化的・世俗的な世界的影響力を持つアメリカ出身の教皇を迎えることに反対してきたという。

 

しかし今回の教皇選挙では、予想に反し、アメリカ出身の人物が選出された。

 

ペルーで長年、活動を行う

 

アメリカのトランプ大統領は、「レオ14世」が新たな教皇に選ばれたことについて、「驚いた」としながらも、「アメリカ人の教皇が選ばれたことを名誉に思う」と歓迎した。

 

しかし「レオ14世」は、決してアメリカの典型的な聖職者とは言えず、トランプ支持を唱える保守派の枢機卿たちにとっては、期待外れのニュースだったとの見方も出ている。

 

「レオ14世」は1955年9月14日にシカゴで生まれ、1981年に聖職者になる誓いを立て、その後ローマで学び、ペルーに派遣された。

 

そしてペルー第3の都市トルヒージョの神学校で教会法、教父学、道徳法の教授を務め、2014年11月にはペルー北部の都市、Chiclayo教区の司教に任命されたという。

 

さらに2023年1月にはフランシスコ教皇から枢機卿に任命され、バチカンでラテンアメリカ委員会の委員長や、新司教の選出を監督する司教部局の長官を務めたそうだ。

 

「レオ14世」はペルーの国籍も取得しており、このようなラテンアメリカとの強い繋がりと、教会での役割が相まって、普段はアメリカ出身の教皇就任に賛成しない枢機卿たちも、「レオ14世」に投票したのではないか、との見方が出ている。

 

「穏やかで地に足のついた指導者」

 

イデオロギー的に分断しているペルーの司教たちの間でも、「レオ14世」は勤勉で「穏健な影響力」を持つ人物として、評判を高めてきたという。

 

実際、「レオ14世」は、朝の祈りの後も、同僚の司祭たちと朝食をとるような、穏やかで地に足のついた指導者だったそうだ。

 

Chiclayo教区の広報責任者、フィデル・プリサカ・ヴィジル神父もAP通信に対し、「どんなに多くの問題を抱えていても、彼は常に明るく、喜びに満ちていました」と語っている。

 

そしてフランシスコ教皇とも親密で、トランプ政権にはやや批判的であったという。

 

「レオ14世」は、カトリック教徒であるJ・D・バンス米副大統領の移民問題に対する立場に異議を唱え、以前SNSにも「J・D・バンスは間違っている:イエスは私たちに他者への愛を順位付けするよう求めてはいない」と投稿していた。

 

 

また「レオ14世」は、社会的に疎外された集団に対してオープンな姿勢を表明してきたが、2012年の世界司教会議での演説では、同性愛を批判するような発言もあり、LGBT+のカトリック教徒の間では、懸念も出ていたと言われている。(了)

 

出典元:The Guardian:Robert Francis Prevost becomes first US pope and will be known as Leo XIV – live(5/8)

出典元:The Guardian:Robert Francis Prevost: the moderate, good humoured first American pope(5/8)

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