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イスラエル兵がヨルダン川西岸地区で外交団に発砲、各国が猛反発

イスラエル兵がヨルダン川西岸地区で外交団に発砲、各国が猛反発
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イスラエル軍は5月21日、ヨルダン川西岸地区を視察で訪れていた各国の外交官らに対し、発砲した。

 

外交官らが避難を余儀なくされる

 

5月21日、パレスチナ自治区・ヨルダン川西岸地区北部の町、ジェニンでは日本やEU、そして国連の職員を含む、20カ国以上の外交官が人道状況などを視察していたという。

 

その時、イスラエル兵らが彼らに向かって発砲。多くの外交官らが一時、避難を余儀なくされた。

 

その後、イスラエル軍も外交官に向けて発砲したことを認め、「警告射撃」だったと主張。各国の代表団が承認されたルートから「逸脱」し、「許可されていない」地域に移動したために発砲したと述べた。

 

各国がイスラエルの大使を召喚

 

この銃撃により負傷者は出ていないものの、外交官を派遣していた国々などは、イスラエル軍の行為に反発。国連のグテーレス事務総長は「職務を遂行中の外交官がいかなる方法、形態を問わず、銃撃や攻撃を受けることは決してあってはならないことは明らかだ」と批判した。

 

またフランスのJean-Noel Barrot外相も、この発砲を「容認できない」として、イスラエルの大使を召喚。イタリア政府も、この発砲に関して公式の説明を求めるため、イスラエル大使を召喚したという。

 

ポルトガル政府も、「国際法に疑問を投げかけるこの事件を受けて」、イスラエルの大使を召喚。スペインのJose Manuel Albares外相も、マドリード駐在のイスラエル大使を呼びつけ、「我々は透明性と説明責任を求める」と述べた。

 

ジェニンでは​​ここ数カ月、イスラエル軍による大規模な侵攻が行われ、イスラエル兵たちは市内の難民キャンプを包囲し、ドローンを使った攻撃に加え、軍用車両やブルドーザーを使って地域を破壊。その結果、家屋や建物、基本的なインフラが破壊され、数千人が家を追われたという。

 

「政治的な動機に基づく紛争」

 

国連事務総長の報道官、ステファン・デュジャリック氏によれば、5月21日もイスラエル南部のカラム・アブ・サレム(ケレム・シャローム)国境検問所から、ガザ地区へ人道支援物資が輸送できていないという。

 

ローマ教皇の「レオ14世」も21日、一般謁見の場で、イスラエルに対してガザ地区への人道支援物資の受け入れを認めるよう訴えた。「レオ14世」は「ガザ地区はますます憂慮すべき事態に陥っている」と指摘。子供や高齢者、病人が犠牲になっているとし、停戦を呼びかけたそうだ。

 

このような状況の中、スペインのカタルーニャ州政府は5月21日、ガザ地区への大規模な攻撃を批判し、イスラエルの都市、テルアビブにある貿易事務所を閉鎖すると発表した。

 

ネタニヤフ政権のガザ地区への攻撃については、自国内でも批判が高まっており、イスラエルのエフード・オルメルト元首相も「この紛争は政治的な動機に基づくものであり、多くの民間人に犠牲者を出し、イスラエル兵の命を奪っている」と批判。

 

またイスラエル軍が、ガザ地区だけでなくヨルダン川西岸地区でも、毎日のように戦争犯罪を犯していると非難したという。

 

イスラエル軍は5月21日にも、ガザ地区に激しい攻撃を加え、過去24時間で115カ所の標的を空爆。ガザ地区の保健当局によれば、一連の攻撃により、21日の夜明け以降、少なくとも82人が死亡したという。

 

さらにイスラエル軍は21日、停戦中にも関わらず、レバノン南部へも空爆を行い、少なくとも3人が死亡した。(了)

 

出典元:Aljazeera:LIVE: ‘Israeli army will control of all Gaza’, Netanyahu says, as 82 killed(5/21)

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