ガザ地区の和平協定へ向け、エジプトで「ハマス」とイスラエルの間接交渉を開始

エジプトでは、ガザ地区の和平協定合意に向け、各代表団による間接交渉が始まった。
「ハマス」の武装解除、イスラエル軍の撤退
アメリカのトランプ大統領が先週発表したガザ地区における「20項目の和平計画」に関する第一段階の交渉が10月6日、エジプトで開始された。
すでにガザ地区を実効支配する「ハマス」とイスラエルの代表団は、仲介者とともにエジプトで協議に臨んでいる。
この協議のポイントは、イスラエル軍の撤退と、「ハマス」の武装解除。そして停戦後の状況をモニターする「国際安定化部隊」だ。
現在、イスラエル軍は、下記の地図に示されている青い線までの地域を全て支配している。

トランプ大統領の計画では、「和平計画」に合意すれば、イスラエル軍は黄色のラインまで撤退し、ガザ地区で拘束されている人質の解放に備えることになる。
また「20項目」の計画に定められた全ての要件が満たされ、「国際安定化部隊」が展開された後、イスラエル軍は赤いラインまで後退するという。
最終的には、イスラエル軍はガザ地区との国境沿いへさらに後退、エジプトとの国境検問所を含むガザ地区内に「緩衝地帯」を維持することが予想されている。
しかしイスラエルのネタニヤフ首相は先日、ガザ地区からの「完全撤退はありえない」と発言しており、合意が成立しても、イスラエル軍の撤退が実施されない可能性もある。
また「ハマス」内部でも、武装解除には抵抗があり、政治部門と武装部門との間で意見が分かれているという。
さらにトランプ大統領の計画に基づく「国際安定化部隊」も、誰が設立し、構成員が誰になるのか、パレスチナ自治政府がどのように関与するのかも決められていない。
ネタニヤフ首相が履行するのか懐疑的
専門家は、「ハマス」の武装解除が、イスラエル軍の撤退と並行して議論されなければならないと指摘している。
ただ合意が成立しても、イスラエルのネタニヤフ首相が履行するのか、懐疑的な見方もあるという。
ネタニヤフ首相は、全ての人質が解放された後、再び「ハマス」が合意に違反したと難癖をつけて、停戦を破棄し、再びガザ地区への攻撃を開始する可能性すら指摘されている。
すでに今年の3月、イスラエル側は停戦を一方的に破棄し、再び攻撃を開始。ガザ地区を封鎖して、人道支援物資の搬入を阻止し、激しい攻撃を継続してきた。
ガザ地区で21人のパレスチナ人が死亡
一方、ガザ地区では10月6日もイスラエル軍による激しい攻撃が続けられ、ガザ市のタル・アル・ハワ地区にある学校周辺では、子供を含む多くのパレスチナ人が負傷した。
ガザ地区の保健当局によれば、6日には過去24時間以内に、全域で21人のパレスチナ人が死亡、96人が負傷したという。
そして2023年10月以降、ガザ地区全域でイスラエル軍の攻撃により、少なくとも6万7160人が死亡、16万9679人が負傷したそうだ。
またイスラエル軍はレバノン南部の町、Zebdineへ向かう車両をドローンで攻撃。これにより、少なくとも2人が死亡、1人が負傷した。
イスラエル政府は、グレタ・トゥーンベリさんを含む活動家171人を国外追放にし、彼らはギリシャとスロバキアに移送されたという。(了)
Greta Thunberg spoke publicly for the first time since reports emerged that she was mistreated while in an Israeli prison.
The activist arrived in Greece alongside other members of the Global Sumud Flotilla after they were deported from Israel. pic.twitter.com/ZfVjMOIhHR
— Al Jazeera English (@AJEnglish) October 6, 2025
出典元:Aljazeera:LIVE: Israel and Hamas begin indirect Gaza talks in Egypt(10/6)