米連邦議会の占拠事件で、世界各国のリーダーが非難の声を上げる
1月6日、トランプ大統領の支持者らが、ワシントンD.C.にある連邦議会議事堂を一時的に占拠したが、このことについて各国のリーダーが非難の声を上げている。
「アメリカの民主主義を信じている」
イギリスのボリス・ジョンソン首相は、今回の占拠事件について「議会における恥ずべきシーン」だと指摘。「米国は世界中の民主主義を表しており、今や平和的かつ秩序だった政権移行が不可欠だ」とツイートした。
Disgraceful scenes in U.S. Congress. The United States stands for democracy around the world and it is now vital that there should be a peaceful and orderly transfer of power.
— Boris Johnson (@BorisJohnson) January 6, 2021
オーストラリアのスコット・モリソン首相も、「米国議会での非常に悲惨なシーン」とツイート。「私たちはこれらの暴力行為を非難すると共に、偉大なアメリカの民主主義の伝統の中で、新しく選出された政権への平和的な移行を楽しみにしています」と述べた。
Very distressing scenes at the US Congress. We condemn these acts of violence and look forward to a peaceful transfer of Government to the newly elected administration in the great American democratic tradition.
— Scott Morrison (@ScottMorrisonMP) January 6, 2021
またフランスのエマニュエル・マクロン大統領も、ツイッターでのビデオメッセージにおいて「世界で最も古い民主主義の1つの国において、去り行く大統領の支持者が選挙の合法的な結果に異議を唱えるために武装するとき、一人一票という普遍的な考えが損なわれる」と非難。
さらに「ワシントンD.C.で起きたことは、アメリカではない。私たちは民主主義の力を信じている。アメリカの民主主義の力を信じている」と述べた。
We believe in democracy.#WeAreOne pic.twitter.com/dj3hs66KKn
— Emmanuel Macron (@EmmanuelMacron) January 7, 2021
一方、カナダのジャスティン・トルドー首相も「暴力は決して、人々の意志を覆すことに成功しはしない。アメリカにおける民主主義は、支持(維持)されなければならず、きっとそうなるだろう」とツイッターで述べている。
またアメリカの歴代大統領たちも、今回の事件について「胸が悪くなる」「心が張り裂ける」出来事だと語っている。
犯人はネオ・ナチや白人至上主義者など
今回の占拠事件では、52人が逮捕され、5人が死亡。そのうちの1人は、連邦議会を守っていた警察で、彼はトランプ支持者を排除していた時にケガを負い、その後死亡が確認された。またこの事件で14人の警察官もケガを負ったと言われている。
連邦議会を占拠した他の容疑者についても、現在連邦捜査局(FBI)によって調査が進められているそうだ。犯人の多くは、白人至上主義者やネオ・ナチ、極右陰謀論を唱える「Qアノン」に所属するものだと言われている。
世界中の多くの指導者は、「選挙が盗まれた」との誤った主張を繰り返すトランプ大統領を非難しており、アメリカ国内でも今回の事件をトランプ大統領が扇動したという見方が広まっている。
そのため共和党の一部からもトランプ大統領を弾劾すべきだとの声が上がっており、実際に弾劾の手続きも進められているという。
ドイツのHeiko Maas外務大臣は「トランプとその支持者は、アメリカ人の投票結果を受け入れ、民主主義を踏みにじること止めるべきだ」と述べている。(了)
出典元:USA TODAY:‘A direct attack on democracy’: World leaders react with shock after Trump supporters riot at US Capitol(1/7)