バイデン氏、大統領に就任したばかりなのに、議員から弾劾申請をされてしまう
アメリカの共和党の女性議員が、就任したばかりのジョー・バイデン大統領に対し、弾劾の申し立てを行った。
副大統領時代に権力を乱用したと主張
その女性議員とは、ジョージア州選出の共和党員であるMarjorie Taylor Greene下院議員だ。
彼女は、バイデン氏がオバマ政権下で副大統領だった当時、権力を乱用したと主張。弾劾の申請を行ったと述べた。
Greene議員は声明においても、バイデン氏がウクライナでの疑惑において息子のハンター氏に、アメリカの敵であるロシアや中国から現金を吸い上げることを容認したと主張。その上で次のように述べたという。
「バイデン大統領は、息子のハンターを救済し、家族のポケットに腐敗した外国のエネルギー会社からの現金を入れるのに必要なことは、何でもすることを示しました」
I just filed Articles of Impeachment on President @JoeBiden. pic.twitter.com/mcwEEkKiHL
— Rep. Marjorie Taylor Greene (@RepMTG) January 21, 2021
バイデン親子への疑惑とは?
息子のハンター・バイデン氏は、父親が副大統領を務めていた2014年に海軍を除隊となった後、ウクライナのガス会社、「ブリスマ」の役員に就任。それまでガス会社に勤めたことはなかったが、2019年の4月に退任するまで、毎年約550万円の報酬を得ていたと言われている。
また当時、副大統領だった父親のバイデン氏は2015年にウクライナを訪問した際、汚職対策の推進が不十分だとしてウクライナに対して検事総長の解任を求めたという。
そして検事総長を解任しなければ10億ドルの経済支援を行わないとウクライナ側に圧力をかけたと自ら述べている。
これについて、トランプ前大統領は、ウクライナの検察当局によるガス会社、「ブリスマ」をめぐる捜査から息子のハンター氏を守るために、バイデン氏が副大統領の地位を利用し不当に圧力をかけたと批判してきたそうだ。
バイデン大統領はこれらの疑惑について、息子のハンター氏のビジネス上の利益のために、ウクライナへの政策決定を行ったことを否定。
また、その後の共和党議員による調査によっても、バイデン氏の違法行為の証拠は見つけられなかったと言われている。
陰謀論「Qアノン」を支持
Greene議員は、トランプ氏の長年の支持者で、これまでも繰り返し不正投票の結果、バイデン氏が大統領選挙に勝利したと主張してきたという。
また彼女は、一部の上流階級がアメリカを支配しているといった陰謀論を唱える「Qアノン」への支援を表明してきたそうだ。
そして今月初め、1月6日に「連邦議会襲撃事件」が起きた際にも、「不正投票」のことをツイートしたため、ツイッター社から規約違反に問われ、投稿がブロックされたとか。
アメリカの法律では、大統領の弾劾が成立するためには、議会下院で審議が行われ、決議案が可決されなければならず、さらにその後も上院で3分の2の賛成が得られなければならない。
現在下院では民主党の議席が過半数以上(222議席)を占めているため、Greene議員の申請は却下されることになりそうだ。(了)
出典元:NBC:Ga. Republican files articles of impeachment against Pres. Biden(1/22)
出典元:METRO:Articles of impeachment filed against Joe Biden(1/21)