ゼレンスキー大統領、初めてロシア独立系メディアの取材を受ける
ウクライナのゼレンスキー大統領は先日、初めてロシアの独立系メディアの取材を受けた。その動画が公開されている。
パレード用の軍服を発見していた
インタビューの中でゼレンスキー大統領は、ロシアのプーチン大統領が「ウクライナ人がロシア軍を花束と笑顔で待っている。ウクライナの状況は非常に悪い。ゼレンスキーと党は国民から支持されていない」と、ウクライナにいる親ロシア派の政治勢力から聞かされていたと、99.9%信じている、と述べたという。
その証拠として、実際に初期にウクライナへ侵攻したロシア軍から、パレード用の軍服が発見され、行進する準備が整っていたことが示唆されていたと主張した。
またゼレンスキー大統領は、マリウポリにおいてロシア軍兵士とウクライナ人の遺体が山積みになっており、ロシア軍は自軍兵士の遺体を回収しようとせず、ウクライナ人が傷ついたロシア軍兵士や彼らの遺体を回収することも許していないと述べている。
その上でロシア軍側に、ロシア兵の負傷者や遺体を移動させる許可を求め、さもなければロシア軍に自軍兵士の遺体を回収するよう求め、次のように語った。
「彼ら(ロシア軍)はそれ(遺体の回収)をしていない。犬や猫でさえ、もっとマシな扱いを受けている。私はロシア軍を憎んでいる、彼らが侵攻したからだ。しかしロシア軍兵士も人間であらねばならない。彼らの両親がどう思うか?」
またゼレンスキー大統領は、インタビューにおいてロシア側と話す用意があり、ロシア国民は敵と考えていないとし、家族に真実を伝えるよう求めたという。
ロシア独立系メディアに所属する4人のジャーナリストはこの動画を公開。しかしその後、ロシア当局から動画の配信を禁止された。
そして現在、ジャーナリストらは、ロシアの通信規制当局から調査を受けているという。
「中立性」「ドンバス地方」でも妥協の用意
一方で、ゼレンスキー大統領は27日のテレビ演説において、ウクライナ側がロシアとの和平交渉の一環として、中立的な立場を採用することを議論する用意がある、と述べたという。
ただしその判断は、第三者によって管理された国民投票にかけられる必要があるとも述べている。
またゼレンスキー大統領は「安全保障と中立化、非核の地位。我々はそのための準備が整っている。これが最も重要な点だ」と述べたという。
ただしウクライナの非軍事化など、その他のロシアの要求については拒否している。
またReutersによれば、ゼレンスキー大統領は、第三次世界大戦につながるとして、ロシアが保有するすべての領土を武力で奪還しようとすることを否定したという。
また2014年からロシアの支援を受けた勢力が保有する、東部ドンバス地域について「妥協点」を見出したい、と述べたそうだ。(了)
出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war latest: Ukraine ‘prepared to discuss neutrality as part of peace deal’, with talks between sides to resume(3/27)