米裁判所、テキサス州法を支持、SNS企業の検閲を禁止する判決を下す
アメリカの連邦控訴裁判所は、SNS企業が保守派の言論を検閲していると主張する、テキサス州法を支持する判決を下した。
保守的な言論の検閲を禁止
そもそも保守層(共和党支持者)は、ソーシャルメディア企業が一般的にリベラルな考え方を持ち、特に政治的右派の考えを敵視し、保守的な言論を検閲していると非難してきたという。
このため共和党支持者の多い、南部のテキサス州やフロリダ州では昨年、SNS企業が人々の「投稿」を検閲することを禁止する州法を可決させた。
この法律に対しては共和党の選出議員も支持しているが、逆に技術業界団体からは、プラットフォーム(SNS)が過激派やヘイトスピーチを排除できなくなると異議が出されていたという。
そして今回、ニューオーリンズの第5連邦巡回控訴裁判所では、企業に「検閲の自由はない」とする判決を下した。
Andrew Oldham判事は判決において、「今日、われわれは、企業が人々の発言を検閲する自由な修正第一条の権利を有するという考えを否定する」と述べている。
フロリダ州の州法は違憲と判断
しかしフロリダ州で可決された同様の州法は、別の控訴裁判所では違憲と判断されたという。
このため最終的な判断は連邦最高裁判所が判断することになるようだが、同裁判所は今年初めにも、訴訟が展開される中でテキサス州の州法を差し止める判決を下したそうだ。
ただし今回、連邦最高裁判所が、過去の修正第一条の判例を、FacebookやTwitter、TikTokなどその他のデジタルプラットフォームにどう適用するのかは、不透明だとの見方もある。
個人も提訴できるようになる
フロリダ州法が成立すると、フロリダ州の司法長官が同州の「Deceptive and Unfair Trade Practices Act」に基づいて、SNS企業を訴える権限が与えられることになるという。
また個人が不当な扱いを受けたと感じた場合、ソーシャルメディア企業を最高10万ドル(約1400万円)まで提訴することも可能になるそうだ。
一方、テキサス州の法律では、5万人以上のアクティブユーザーを持つソーシャルメディアのプラットフォームのみに、これが適用されている。(了)
出典元:ABC News:Court rules in favor of Texas law on social media regulation(9/17)