中国がロシアに武器支援を行う可能性:米国務長官
アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官は先日、中国が今後、ロシアに武器支援を行う可能性があると明らかにした。
米国務長官が中国側と会談
ブリンケン国務長官は2月18日、ドイツで中国の王毅政治局委員と会談。その後、アメリカのメディアであるCBSの番組に出演した。
インタビューの中でブリンケン国務長官は、中国がウクライナでの戦争において、銃や武器を含む支援をロシアに与えるかどうかを検討しているという情報を得たとし、次のように語った。
「我々が今持っている懸念は、今ある情報に基づいて、彼ら(中国)が武器支援を提供することを検討しているということです。私たちは、それが我々との関係にとって、深刻な問題を引き起こす可能性があることを、彼らにはっきりと伝えました」
証拠を近々提出する予定
またブリンケン氏はNBCの番組でも、中国が武器支援という一線を越えていないとしながらも、次のように述べたという。
「中国政府が、いかに武器を含む装備をロシアに提供することを真剣に検討しているかを示す証拠を、近々出す予定です」
また王毅氏との会談で、ブリンケン国務長官は、中国がアメリカの領空内に監視気球を飛ばし、主権を侵害し、国際法に違反したことを非難したという。
さらに中国政府に対し、ロシアの制裁逃れの手助けをやめるよう促したそうだ。
中国の対ロ貿易は増加し、ロシアの石油を購入しているが、買取価格はおそらくEUとG7グループによって制裁として課せられた1バレル60ドルの上限価格を、下回っていると考えられている。
「ワグネル」にも情報を提供か?
ミュンヘン安全保障会議においても、アメリカのカマラ・ハリス副大統領は、人道に対する罪を犯していると判断された国に、殺傷能力のある兵器を提供しないよう中国に警告したという。
またアメリカ政府は、中国がロシアの民間軍事会社「ワグネル」に対し、いくつかの調査情報を提供している可能性があると考えている。
一方、中国政府は今後、ウクライナでの和平案を提案する予定とされているが、アメリカ側は、この案が領土保全や主権の価値を曖昧に主張するものである可能性が高いと見ている。(了)
出典元:The Guardian:China may be on brink of supplying arms to Russia, says Blinken(2/19)