Switch news

知っておきたい世界のニュース

NATO加盟国の一部が、ウクライナに軍隊を駐留させる可能性

NATO加盟国の一部が、ウクライナに軍隊を駐留させる可能性
Twitter/NATO eFP Battle Group Lithuania

NATOの前事務総長が、一部のNATOの加盟国が、今後ウクライナに自国の軍隊を駐留させる可能性がある、と主張している。

 

ウクライナへ軍隊を派遣する可能性

 

そう主張しているのは、2009年から2014年までNATOの事務総長を務めた、デンマークの政治家である、アナス・フォー・ラムスセン氏だ。

 

彼は現在、ウクライナのゼレンスキー大統領の公式アドバイザーを務めており、主に将来のヨーロッパにおける安全保障体制におけるウクライナの位置づけについて、助言を行っているという。

 

ラムスセン氏は、今年の7月にリトアニアの首都・ビリニュスで開催される北大西洋条約機構(NATO)首脳会議において、ウクライナへ安全保障を提供しない場合、「(NATO加盟国の)一部が、ウクライナへ軍隊を派遣する可能性がある」と述べた。

 

現・事務総長は加盟国にのみに限定

 

フランスのマクロン大統領は6月1日、「欧州政治共同体」の首脳会議の後、記者団に対して「ウクライナがNATOに当面加盟できない場合は、(NATO首脳会議において)明確な安全保障を与えるべきである」と述べていた。

 

一方、現在のNATOの事務総長であるイェンス・ストルテンベルグ氏は先日、NATO首脳会議では安全保障の問題が議題になるとしながらも、条約の第5条に基づき、NATOは正式加盟国にのみ本格的な安全保障を提供すると述べていた。(この5条とは、NATO加盟国の1つに対する攻撃はNATO全体への攻撃とみなす、というもの)

 

この発言に関し、ラムスセン氏は次のように述べたという。

 

「NATOがウクライナの明確な進歩(安全保障)に合意できない場合、いくつかの国が個別に行動を起こす可能性は明らかだ。ポーランドがウクライナへの具体的な支援に積極的に取り組んでいることは承知している。そして、ポーランドが国単位でさらに強力な支援を行い、それにバルト諸国が続き、もしかしたら軍隊が駐留する可能性も否定はしない」

 

「ウクライナがビリニュス(NATO首脳会議)で何も得られなかったら、ポーランドは本気で有志連合を組むことを考えるだろう。私たちはポーランド人の感情を、過小評価するべきではない。ポーランド人は、あまりにも長い間、西ヨーロッパが真のロシアのメンタリティに対する警告に耳を傾けなかったと感じているのです。またウクライナがこのような軍事援助を求めることは、完全に合法です」

 

ラムスセン氏によれば、ウクライナがNATOの枠組みの外で、文書による安全保障を受けることが不可欠であり、現在このようなアイデアに勢いが出てきているという。

 

また彼は、安全保障の中身について、情報共有やウクライナとの共同訓練、弾薬製造の強化、NATOの相互運用性、ロシアのさらなる攻撃を抑止するのに十分な武器の供給などを挙げている。(了)

 

出典元:The Guardian:Nato members may send troops to Ukraine, warns former alliance chief(6/7)

記事が気に入ったら
Switch Newsをフォローしよう!


Return Top