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フランス、新法令により「いじめの加害者を転校」させることが可能に

フランス、新法令により「いじめの加害者を転校」させることが可能に
flickr_Tiomax80/CreativeCommons

被害者が不登校になったり、転校したりすることが多い「いじめ」。なぜ被害を受けた側が、負担を強いられなくてはいけないのか。こんな不公平を是正する措置が、フランスでスタートした。

 

いじめは加害者が転校

 

8月16日にガブリエル・アタル国民教育・若者大臣が発布した政令では、いじめの加害者を転校させる措置が可能となる。

 

 

具体的には、いじめ(意図的かつ反復的に他の生徒の安全や健康を脅かす行動)をしている中学生と高校生に対し、校長が措置を講じた後にもいじめ行為が収まらなかった場合に、その生徒を学校から退学するように市長に要請できるとしている。いじめ加害者が、転校後にその学年を終えることは、少なくとも保障されるそうだ。

 

この法令では、SNSで嫌がらせをしている他校の生徒も処罰の対象となる。法令施行の翌日である8月17日から有効とのことなので、9月に始まる新学年を安心して迎えた学生も多いことだろう。

 

いじめ被害者の自殺がきっかけ

 

この法令のきっかけは、今年の5月にいじめ被害者であるリンジーさん(13歳)が自殺したことだ。「学校でのいじめへの対応は、容赦なく行われなければならない」と、アタル大臣はコメントしている。

 

実はフランスでは2022年3月から、学校でのいじめは刑事犯罪となっており、いじめの被害者が自殺または自殺未遂をした場合には、最高で10年の懲役と15万ユーロの罰金が科せられる。

 

いじめに対して、強い対抗策を打ち出しているフランス。今回のような法令が必要なのは、フランスだけではないだろう。(了)

 

参考:legifrance「Décret n° 2023-782 du 16 août 2023 relatif au respect des principes de la République et à la protection des élèves dans les établissements scolaires relevant du ministre chargé de l’éducation nationale」(8/16)

参考:「French school bullies now face a move, not the victims, thanks to new law」(8/18)
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