バイデン大統領「ガザ地区の占拠は大きな間違いになる」、しかし地上侵攻は容認か?
アメリカのジョー・バイデン大統領は10月12日、メディアのインタビューにおいて、イスラエルのガザ侵攻について語った。
パレスチナ国家への道筋が必要
バイデン大統領は12日、CBSの番組「60ミニッツ」において、イスラエルによるガザ地区占領の動きを支援するかと問われ、次のように語ったという。
「私は、それは大きな間違いになると思う。ガザ地区で起きたことを見てください。私の見解では、ハマスとその過激派が、パレスチナ人全体を代表しているわけではない、ということだ。そして、私は、イスラエルが再びガザを占領するのは、間違いになりうると思う。しかし、北のヒズボラと南のハマスのような過激派を排除することは、必要条件だ」
バイデン大統領は「ハマス」が完全に排除されなければならないとの考えを示し、同時に「パレスチナ当局が必要だ。パレスチナ国家への道筋が必要だ」と述べたという。
またバイデン大統領は「イスラエルは、パレスチナの人々のかなりの部分がハマスやヒズボラの意見を共有していないことを理解していると思う」とも述べている。
「ハマスを追跡しなければならない」
インタビューにおいて、イスラエルと「ハマス」の間に停戦の時期が来ているかと問われ、バイデン大統領は「ハマス」の攻撃で死亡したイスラエル人と、イスラエルの反撃で死亡したパレスチナ人の間には「根本的な違い」があるとし、次のように語った。
「イスラエルは、ホロコーストと同じくらい重大な蛮行に手を染めた集団を追っている。だからイスラエルは対応しなければならない。ハマスを追跡しなければならないと思う。ハマスは臆病者の集まりだ。市民の後ろに隠れている。本部を民間人のいる場所に置いたり、ビルなどを建てたりしている。しかし、(市民を)分離して、(攻撃を)回避できる範囲において、イスラエルは罪のない市民の殺害を避けるために全力を尽くすと確信している」
さらにバイデン大統領は、ロイター通信に対し、イランに紛争をエスカレートさせないよう警告し、アメリカは自国の防衛を維持しつつ、ウクライナとイスラエルの両方の戦争に「対処」できるとコメントしたという。
これらのコメントから、バイデン大統領はイスラエル軍の地上侵攻を容認していると考えられるが、そうなれば確実にガザ地区住民の犠牲者は増えると思われる。(了)
出典元:The Guardian:Israel-Hamas war live: Biden says Israel occupation of Gaza would be ‘big mistake’; 24 hours’ more fuel at Gaza hospitals, says UN(10/15)
出典元:CBS:President Joe Biden: The 2023 60 Minutes interview transcript(10/15)