ペットボトル飲料の90%以上に、プラスチックの粒子が混入していることが判明


最新の研究により90%以上にも上るペットボトル飲料に、プラスチック粒子が混入していることが判明し、波紋を広げている。

 

プラスチック入り飲料は全世界9カ国で販売

 

今回の研究はニューヨーク州立大学が行い、米国を拠点とする非営利団体「Orb Media」により報告された。

 

この報告によると、全体の93%を占めるペットボトル飲料にはプラスチックの粒子、いわゆる“マイクロプラスチック”と呼ばれる物質か、もしくは長さ5ミリ以下のプラスチック片が混入しているという。

 

このマイクロプラスチックとプラスチックの破片にはポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)といった物質が含まれている。

 

さらに一本のボトルで多いものでは1万以上にも及ぶ粒子や破片が混入していたとされ、これを摂取し続けると人体に危険が及ぶ可能性があるという。

 

またマイクロプラスチックが含まれるペットボトル飲料を販売する企業は11にも及び、米国と中国をはじめとする世界9カ国で販売されているとのことだ。

 

なお、この9カ国の中に日本は含まれていない。

 

明らかでない混入の経路

 

BBCによると、研究の手法としては水中を浮遊しているプラスチックを蛍光させる、「Nile Red」と呼ばれる特殊な染料を使用。

 

すると、平均して1リットルに10ものプラスチック粒子ならびに破片が混入していることが判明したという。

 

さらに1リットルに314もの非常に細かい何等かの粒子も混入しており、これはプラスチックであると考えられるものの、あまりに細かいためプラスチックと特定することはできなかったとのことだ。

 

また研究で使用された259本ものペットボトルのうち、プラスチックの粒子や破片が混入している形跡が何ら見られなかったのは17本のみであったという。

 

他方でこれらのマイクロプラスチックやプラスチックの破片が、どのようにしてペットボトルに混入したのかは明らかとなっていない。

 

しかし考えられる原因としては、飲料を製造する際に利用される水源に混入していたか、あるいはボトル詰め等の製造過程の際に混入したか、さらにはペットボトルのキャップからボトル内へとプラスチック片が落下したなどの可能性が挙げられるという。

 

 

研究結果にはWHOも注目

 

今回の研究に携わり、マイクロプラスチックの研究を行うSherri Mason氏は、ペットボトル飲料に混入していたプラスチックの一部は非常に小さいため、体内を通り抜けていってしまうという。

 

一方プラスチックには化学物質が含まれており、「体内器官や組織にどのような影響を及ぼすこととなるのかはわからない」として、それらが人体に影響を及ぼす可能性はあると指摘する。

 

一方、この研究結果には世界保健機関(WHO)も注目。

 

WHOのスポークスマンによると、同機関は再調査を行った上で、ペットボトルに混入するプラスチックが人体に及ぼす影響について研究を行いたいとしている。

 

今日、ペットボトル飲料は全世界で消費されており、2016年には5000億本ものペットボトル飲料が世界中で販売されたという。

 

もしこの多くにマイクロプラスチックやプラスチック片が混入しているとしたら、いずれ人体に何等かの影響が出る可能性がある。

 

これについてWHOで水と衛生に関わるコーディネーターを務めるBruce Gordo氏は、「これについて確かなことが言える研究は存在しない」とする。

 

さらに「我々は通常安全上の上限を設定するが、それを定義するためにはこれらが危険であり、水に混入していると人体に危害を及ぼすということをはっきりさせる必要がある」としている。

 

プラスチックといえば、近年世界中で海洋汚染を引き起こしていることが伝えられる。しかしそれが日々摂取している飲料にも含まれていたかもしれないと考えると空恐ろしい。

 

研究を今後も継続させ、9カ国以外で販売されているペットボトルにもプラスチックが混入しているのかを明らかにするとともに、それが人体に与える影響を教えてほしいところだ。(了)

 

出典:Smithsonian:Study Finds Microplastics in More than 90 Percent of Tested Water Bottles(3/16)

出典:Business Standard:Indian companies contest study claiming plastics in 90% of bottled water (3/16)