恒温動物の恐竜が、1億8000万年前に存在していた可能性
哺乳類のように体温が常に一定に保たれる恐竜が、すでに1億8000万年前に生存していた可能性が指摘されている。
体温を調整できる恒温恐竜
恐竜は長い間、体温が外部環境によって変化する変温動物と考えられてきたが、その後の研究で、一部の恐竜は体温を調整できる恒温動物だった可能性が指摘されてきたという。
しかし、その変化がいつ、どのようにして、どの種に起きたのかは、謎のままだったそうだ。
今回発表された新たな研究では、最初の恒温恐竜が約1億8000万年前に、地球上を歩き回っていた可能性があると推定された。
1000を超える化石や気候モデルなどを分析
人間を含む哺乳類や鳥類は恒温動物とされ、周囲が暑くても寒くても、体温をある程度一定に保つことができる。
一方、ヘビやトカゲなどの爬虫類を含む変温動物は、体温を調節するために外部環境に依存しているため、体を温めるためには日光浴などをしなければならない。
今回、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンなどの研究者たちは、最初の恒温恐竜の起源を推定するために、1000を超える化石や気候モデル、恐竜の系譜を分析したという。
その結果、研究者らは「ティラノサウルス・レックス」や「べロキラプトル」、「トリケラトプス」の近縁種を含む2つの主要な恐竜グループがジュラ紀前期に、より寒い地域に移動したことを発見。これらの恐竜が、暖かさを保つ能力を発達させた可能性があることが示された。
一方、巨大な草食恐竜の「ブロントサウルス」などを含む、第3のグループは、暖かい地域に定着したことが示されたそうだ。
2億5000万年前に進化した可能性
ただ、アメリカ・シカゴにあるフィールド博物館の博士研究員、ジャスミナ・ウィーマン氏(今回の研究に参加していない)によれば、恐竜が恒温動物かどうかを判断する唯一の方法は、その恐竜の位置だけではないという。
そしてウィーマン氏の研究では、恒温恐竜が約2億5000万年前の近い時期に、進化した可能性があることが示唆されたそうだ。
ウィーマン氏は「恐竜の体温や食生活など、恐竜の生活のさまざまな側面から手がかりを収集することは、恐竜がいつ恒温動物に進化したのかを、より明確に描くのに役立つかもしれません」と述べている。(了)
出典元:ABC News:1st warm-blooded dinosaurs roamed Earth 180 million years ago: Study(5/16)