中国の無人探査機「嫦娥6号」が、月の裏側への着陸に成功
中国の無人探査機が、月の裏側にある盆地への着陸に成功した。
月の裏側へ直接通信できない
中国の無人探査機「嫦娥6号」は、「南極・エイトケン」と呼ばれる月の裏側にある古いクレータへの着陸に成功した。6月2日に、中国国営の「新華社通信」が伝えた。
この場所は盆地となっており、「嫦娥6号」は53日間に及ぶミッションにおいて、2日かけて約2kgの土壌や岩石を収集し、地球に持ち帰る予定となっている。成功すれば、世界初になるという。
しかし地球から直接、月の裏側へ通信することはできないため、月の軌道を周回している他の衛星などを中継して、指示を与え、データを受け取ることになるそうだ。
📸Marvelous landing video of Chang’e 6 on the far side of the moon. Full HD:https://t.co/wcHp6Q42Sk pic.twitter.com/XY0jMIKVtL
— CNSA Watcher (@CNSAWatcher) June 2, 2024
月の裏側のサンプルは初めて
このミッションは技術的にも難しく、イギリス・レスター大学のMartin Barstow教授も、次のように述べている。
「月への着陸は困難ですが、通信が特に困難である月の裏側に着陸させることは、非常に大きな技術的成果です」
またこれまで月の裏側からサンプルを入手したことはないため、イギリス・オープン大学のMahesh Anand教授も、次のように述べている。
「最新の分析方法と技術を使用した、月のサンプルの科学的分析は、月の形成と進化に関する新しい洞察を明らかにする可能性があります」
マンチェスター大学のキャサリン・ジョイ教授も、「なぜ月の表と裏側が非常に異なっているのかという、科学的な謎の多くを解決する可能性を秘めています。この知識は、月と惑星科学にとって大きな前進になるでしょう」(了)
出典元:The Guardian:China’s Chang’e-6 probe lands on far side of the moon(6/2)