デンマークで50体に及ぶバイキングの骨を発掘、多様な装飾品も発見
デンマーク中部の村で、バイキング時代の埋葬地が発見され、そこから極めて保存状態の良い人骨が発掘された。
完全な骨格を発見
その埋葬地は昨年、デンマーク第3の都市・Odenseの北東5kmにある、アスム村郊外で、送電線改修工事のための定期調査中に発見されたという。
そして今年の4月から、6カ月かけて発掘作業が進められ、そこから約50体に及ぶ、非常に保存状態の良い、バイキングの骸骨が見つかったそうだ。
通常なら埋葬地から歯などが見つかれば良い方だが、ここでは完全な骨格が発見されたという。
戦士ではなかった可能性が高い
西暦793年から1066年まで続いたと考えられる、バイキング時代。北欧人の彼らは大規模な襲撃を行い、ヨーロッパ全土を植民地化し、征服し、交易し、北米にまで到達していたと考えられている。
もっともアスム村の埋葬地から発見されたバイキングは、戦士ではなかった可能性が高く、その場所はおそらく農業共同体だったと考えられているという。
約2000平方メートルの埋葬地には、男性や女性、子供の遺骨が納められており、骸骨のほかに、火葬された遺体もいくつか発見されたそうだ。
また骸骨以外にも、ブローチやネックレスのビーズ、ナイフ、さらにはお守りとして使われた可能性のある小さなガラスの破片も見つかったという。
ブローチのデザインから、死者が西暦850年から900年の間に埋葬されたことが示唆されており、遺物の多くは遥か遠くから運ばれたもので、10世紀のバイキングの広範な交易の実態が示されているそうだ。
研究者たちは、骨のDNA分析を実施して、詳細な生活史を再構築するとともに、親族関係や移住パターンなど、バイキング時代の社会パターンを調査したいと考えている。(了)
出典元:ABC News:In Denmark, 50 well-preserved Viking Age skeletons have been unearthed(10/14)