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ネアンデルタール人とホモ・サピエンスが「交配」し始めた時期を、科学者が特定

ネアンデルタール人とホモ・サピエンスが「交配」し始めた時期を、科学者が特定
nature/Tom Björklund

研究者により、ネアンデルタール人とホモ・サピエンスが「交配」し始めた時期が、これまで以上に正確に割り出された。

 

交配の平均時期は約4万7000年前

 

この研究を主導したのは、ニューヨークのロチェスター大学と、ドイツのマックス・プランク進化人類学研究所(MPI-EVA)に所属する、ベンジャミン・ピーター氏だ。

 

彼の研究チームは、現代人のゲノムと、かつてユーラシア大陸に住んでいたホモ・サピエンスの骨から抽出した58の古代ゲノムを対象に、分析を行ったという。

 

その結果、ネアンデルタール人とホモ・サピエンスとの交配は約5万500年前に始まり、ネアンデルタール人が姿を消し始めるまで、約7000年間続いたことが判明した。

 

また交配の平均時期は約4万7000年前であることが判明し、ホモ・サピエンスがアフリカからユーラシアへ最初に移住したのが、4万3500年以上前だったことも示唆されたという。

 

交配時期に関するこれまでの推定では、5万4000年前から4万1000年前の範囲とされてきた。

 

別の研究でも、ほぼ同じ結果

 

またこのことは、別の研究でも裏付けられている。12月12日に「Nature」に掲載された、MPI-EVAの研究者による別の独立した研究でも、約4万5000年前に生きていたホモ・サピエンスの2つのゲノムが新たに解析された。

 

その結果、やはりネアンデルタール人とホモ・サピエンスとの交配の時期が、4万7000年前と特定されたという。

 

これまでの考古学的証拠でも、ホモ・サピエンスとネアンデルタール人がユーラシア大陸で6000年から7000年の間共存していたと判明しており、今回のゲノムに基づく推定と一致している。

 

今日のアフリカ人以外の大半の人は、ネアンデルタール人の遺伝子を1~2%受け継いでおり、今回の研究結果は、人類の定住に関する理解や、ネアンデルタール人の遺伝子が現代人の健康に果たす役割を理解する上でも役立つと考えられている。(了)

 

出典元:UC Berkeley News:A new timeline for Neanderthal interbreeding with modern humans(12/12)

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