イギリスにある最古の円形遺跡を再調査、さらに200年古い可能性

イギリスにある最も古い円形の遺跡で再調査が行われ、さらに考えられていたよりも以前に作られた可能性が指摘されている。
高度な放射性炭素分析を実施
その遺跡とは、イングランド南西部のドーセットの町、ドーチェスター近郊にある「フラッグストーン」だ。
これは先史時代の埋葬地とされ、イギリスで最も古い円形の遺跡とされている。
考古学者らは、この遺跡で発掘された人間の遺体やシカ(red deer)の角、木炭などを調査するため、高度な放射性炭素分析を実施。
その結果、これまで考えられていたよりも約2世紀早い、紀元前3200年頃に作られたと結論付けたという。
「ストーンヘンジ」と同時期に建設
エクセター大学の考古学者で、「Antiquity」誌に掲載された研究論文の著者であるスーザン・グリーニー博士によれば、「フラッグストーン」の姉妹に当たるのが、「ストーンヘンジ」になるという。
「ストーンヘンジ」は紀元前2900年に作られたとされているが、最初の建設段階は、「フラッグストーン」と同じ時期と考えられていたそうだ。
そのため今回の再調査により、「フラッグストーン」の年代が変わることで、「ストーンヘンジ」が作られた時期も改定する必要があるのではないか、と科学者らは疑問を呈している。
直径100メートルの円形の溝
「フラッグストーン」は、1980年代に道路のバイパスの建設中に発見され、その後の発掘調査により、直径100メートルの円形の溝でできていたことが判明したという。
また囲いにある穴からは、少なくとも4人の遺体が発見されており、1体は火葬された成人で、3体は火葬されていなかったという。また、他の場所にも、部分的に火葬された成人の遺体が3体あったそうだ。
今回の再調査により、穴の掘削を含む初期の活動が紀元前3650年頃に行われたことが示唆され、数世紀の空白の後、円形の溝のある囲い地が紀元前3200年頃に作られ、その直後に埋葬が行われたと考えられるという。(了)
出典元:The Guardian:Ancient Dorset burial site raises questions over age of Stonehenge(3/6)