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氷河期の終わりから8000年間で、世界の海面が38m上昇していたと判明

氷河期の終わりから8000年間で、世界の海面が38m上昇していたと判明
flickr_NOAA's National Ocean Service

新たな研究により、氷河期が終わってから世界の海面がどの程度上昇していたのかが、明らかにされた。

 

1万1000年前から3000年前の間に上昇

 

そもそも氷河期が終わってから、北米や南極、ヨーロッパの氷冠(陸地を覆う氷河)が溶けたため、気温上昇に伴い海面が急上昇したことは分かっていた。

 

しかし研究者らは、この時期の確固とした地質学的データを持っていなかったため、海面がどれだけ上昇したかは不明だったという。

 

そこで国際的な科学者チームは、約7000年前まで、イギリスとヨーロッパ本土を結んでいた陸地「ドッガーランド」とされる、北海の比較的浅い地域に目を向け、海底からサンプルを採取した。

 

その分析の結果、1万1000年前から3000年前の間に、海面が約125フィート(約38m)上昇したことが判明した。

 

泥炭を採取し、微細藻類の種類を分析

 

そもそも「ドッガーランド」の沿岸には、氷河期に湿地帯があったが、海面上昇に伴い湿地が水没し、海底堆積物が圧縮されて残されたという。

 

科学者チームは、この地域の海底から泥炭、つまり部分的に分解された植物質のサンプルを採取。泥炭に含まれるさまざまな要素と、微細藻類の種類を分析し、海面がどのように変化したかを解明した。

 

その結果、海面上昇のほとんどは2つの段階で起こったことが判明。最初の段階は約1万300年前に発生し、純粋に融解水の増加によるものだったそうだ。

 

2番目の段階は約8300年前に発生し、氷の融解と、溶けつつある氷河の上にある湖からの水の流入の両方によって引き起こされたという。

 

当時は1世紀で約1m上昇

 

当時の海面上昇率は、年間0.4インチ(約10mm)以上、つまり1世紀あたり約40インチ(約1m)に達した計算になる。

 

また「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」によると、海面は現在、年間0.1~0.2インチ(約3~4mm)上昇しており、今世紀末までに年間0.2~0.4インチ(約4~9mm)に増加する可能性が高いという。

 

今回の研究は、過去の海面上昇に関する内容だが、急速な温暖化の時期に海面がどのように変化したかを理解することは、科学者が現在の海面上昇に関する既存のモデルを改善するのに役立つ可能性があるそうだ。(了)

 

出典元:Livescince:Global sea levels rose a whopping 125 feet after the last ice age(3/19)

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