火星からの最大の隕石、オークションにおいて7億9000万円で落札

地球に落下した火星からの隕石が先日、アメリカでオークションにかけられ、高額で落札された。
2023年11月にサハラ砂漠で発見
「サザビーズ」によると、その隕石は「NWA 16788」と呼ばれ、重さは54ポンド(約24kg)以上あり、長さは38cmもあるという。
この隕石は最近の小惑星の衝突後に火星の表面で砕け、太陽系を移動して、ナイジェリアのアガデス地域にあるサハラ砂漠に落下し、2023年11月に隕石ハンターによって発見されたそうだ。
しかも、これは今までで最も大きな火星からの隕石とされている。
そしてこの隕石は7月16日に、ニューヨークで開催された「サザビーズ」のオークションにおいて、530万ドル(約7億9000万円)で落札された。
「信じられないほど稀少」
「サザビーズ」によれば、この赤褐色の岩石は「信じられないほど稀少」で、公式に認定されている7万7000個の隕石のうち、火星起源の隕石はわずか400個に過ぎないという。
しかも火星から地球に到達する確率は天文学的に低く、70%が海で覆われている地球の陸地に落下したのは、かなり幸運なことだそうだ。
この隕石のサンプルは実際に専門の研究所へ送られ、調べられており、アメリカとカナダの研究者による2024年4月の報告書によると、「カンラン石・はんれい岩シャーゴッタイト(olivine-gabbroic shergottite)」であると判明したという。
これは比較的新しいタイプの火星隕石で、火星のマグマがゆっくりと冷えて形成されたものと考えられている。
そのため、この隕石には、火星の秘密を解き明かすのに役立つ、膨大な情報が含まれていると考えられるそうだ。(了)
出典元:ABC News:Largest Mars rock found on Earth sees $4.3M bid at Sotheby’s auction(7/17)