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南アで発見された「パラントロプス・ロブストス」の頭蓋骨、豪の研究者が分析

南アで発見された「パラントロプス・ロブストス」の頭蓋骨、豪の研究者が分析
La Trobe University

オーストラリアの研究者が、以前南アフリカ共和国で人類の近縁種の化石を発見し、その分析が進められた。

 

200万年前の頭蓋骨の化石

 

その化石は今から200万年前のもので、「パラントロプス・ロブストス(Paranthropus robustus)」の頭蓋骨の一部とされている。

 

「パラントロプス・ロブストス」は、現代の人類の直接の先祖と考えられている「ホモ・エレクトス」の従兄弟の種にあたるという。(元記事ではこのように説明されているが、現在さまざまな学説があるようだ)

 

この2つの種は同時代に生存していたとされるが、「パラントロプス・ロブストス」の方が早く絶滅したと考えられている。

 

「ホモ・エレクトス」のすぐそばで発見

 

この化石を発見したのは、オーストラリアのメルボルンにあるLa Trobe大学の研究チームだ。

 

彼らは2018年、南アフリカ共和国のヨハネスブルグにある「Drimolen」と呼ばれる発掘現場で、オスの「パラントロプス・ロブストス(DNH155)」の頭蓋骨の断片を発見したという。

 

しかも2015年には、ほぼ同じ場所で「ホモ・エレクトス」の子供の頭蓋骨も発見されており、そこから数メートルしか離れていない場所で、「パラントロプス・ロブストス」の頭蓋骨も見つかったそうだ。

 

その後、研究者は数年かけてバラバラになっていた化石を組み立て、分析。その研究結果を11月10日に科学誌「Nature Ecology & Evolution」において発表した。

 

歯が大きく、脳は比較的小さかった

 

分析の結果、「パラントロプス・ロブストス」の歯は大きく、脳は比較的小さかった一方、「ホモ・エレクトス」の歯は小さく、脳は比較的大きかったという。

 

「パラントロプス・ロブストス」の歯が大きかったのは食事の影響とみられ、「塊茎(ジャガイモなど)」や「樹皮」のような堅い食べ物を摂取していたからだと考えられている。

 

しかし気候変動により雨の多い環境が生まれ、「パラントロプス・ロブストス」が摂取していた食べ物が減ってしまった可能性があるとか。

 

一方、小さな歯を持っていた「ホモ・エレクトス」は、植物と肉の両方を食べていた可能性があるそうだ。

 

進化における珍しい例

 

共同研究者のJesse Martin氏によれば、このような「パラントロプス・ロブストス」の発見は、人間の系統における微妙な進化(microevolution)の珍しい例だという。その上で次のように語っている。

 

「ドリモレンのDNH155オスの化石は、同じ場所のメスの標本に最も似ていますが、他の場所のパラントロプス・ロブストスの標本はかなり異なります」

 

また、そもそも南アフリカには同時期に、3種のヒト族の近縁種が暮らしており、お互い競い合っていたと考えられている。研究に携わったAngeline Leece博士も次のように語っている。

 

「時が経つにつれて、パラントロプス・ロブストスは、硬くて顎や歯で処理するのが困難な食べ物を噛んでいくうちに、それに耐えうる力を生み出し、進化した可能性があります。(略)私たち(ホモ属)が最終的に生き残った系統でしたが、200万年前の化石の記録は、パラントロプス・ロブストスがホモ・エレクトスよりもはるかに一般的であったことを示唆しています」(了)

 

 

出典元:BBC:Two-million-year-old skull of human ‘cousin’ unearthed(11/10)

出典元:La Trobe University:Skull shines light on human evolution(11/10)

参考:AFP:人類の祖先、200万年前に「3種共存」 ネイチャー誌(2012/8/9)

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