玄関に宅配ロボットがやってくる! フォード社が本気で実験中
宅配便が完全無人化する時代が近づいている。
アメリカの自動車メーカー「フォード」とロボット開発会社「Agility Robotics」が共同で、自動運転車と二足歩行ロボットを組み合わせた宅配システムの開発に取り組んでいる。
自動運転車で配送、ロボットが玄関まで
フォード・モーター・カンパニーは5月22日、同社が構想している未来の配送システムをプロモートする動画を、YouTubeで公開した。
この配送システムのキーとなっているのが、「Digit」と名付けられた二足歩行ロボットだ。
身長約150cm、手足はシンプルな骨組みだけで、頭部にセンサーを備えた「Digit」は、オレゴン州立大学のロボット研究者たちが起業したAgility Robotics社が開発したもの。
フォード社は、このロボットを自動運転車と組み合わせることを考えている。小さく折りたたまれた状態で配達車の荷台に収まったロボットは、目的地に着くと自動的に四肢を伸ばして立ち上がり、荷物を取り上げて配達先の家の玄関まで持って行く。
自動車と組み合わせることで実現可能に
フォード社によれば、ロボットと自動運転車を組み合わせることで、2つの大きなメリットが生まれるという。
一つはロボットの軽量化。このロボットは配達車に戻る度に、必要な電気を車のバッテリーからチャージできる。大きく重い内蔵バッテリーは不要なので、ロボットの足取りは敏捷になり、荷台の隅に小さく縮こまれるようにもなる。
もう一つは、ロボットと車の間でのデータ共有。自動運転車には人間の目や耳に相当するセンサーが備わっており、周囲の状況を見て取ることができるが、このデータをロボットに送信することで、ロボット自身が見えていない障害物も避けられるようになる。
米国の宅配企業FedEx(フェデックス)やAmazonは、車輪で走る配達ロボットを開発中だ。しかし、車輪では歩道の段差や玄関前の階段、放置された自転車や芝刈り機などを回避して進むのは難しいだろう。
家の庭や家屋など人間のために作られた環境の中では、二足歩行ロボットの方がはるかに動きやすい、とAgility Roboticsのエンジニアは言っている。
ロボットの「Digit」と自動運転車を組み合わせたこの配達システムは、まだ初期の実験段階。本格的なトライアルは2020年から始まるそうだ。(了)
出典元:The Verge:Ford’s vision for package delivery is a robot that folds up into the back of a self-driving car(5/22)
出典元:E-NEWS.US:Ford is testing a two-legged delivery robot that brings parcels to your doorstep(5/24)