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白髪になるのはストレスが原因?実験でマウスの毛並みが真っ白に

白髪になるのはストレスが原因?実験でマウスの毛並みが真っ白に
flickr_frankieleon

人間の髪の毛が白くなる原因を突き止めるために、マウスを使った実験が行われ、その研究結果が「Nature」において発表された。

 

マウスの毛が白く変わる

 

この研究を行ったのはアメリカのハーバード大学、ブラジルのサンパウロ大学などの研究者たちだ。

 

そもそもこれまで人間の髪の毛を白くさせるのに、ストレスがどのような影響を及ぼしているのかは明らかになっていなかったという。

 

そこで研究者たちは、マウスに苦痛を与え、ストレスをかける実験を実施。

 

その結果、皮膚や髪の色をコントロールする幹細胞がダメージを受けていることが判明し、数週間後には灰色のマウスの毛が白く変わったそうだ。

 

「ストレスの影響は想像を超えていた」

 

研究に携わったハーバード大学のYa-Cieh Hsu教授によれば、マウスに与えられた痛みはアドレナリンやコルチゾルの放出を引き起こし、鼓動が早くなり、血圧も上昇させるという。

 

それにより神経組織に影響を与え、ストレスを引き起こすそうだ。

 

この過程により、髪の毛包にあるメラニンを生み出す幹細胞(melanocyte stem cells)の枯渇を早め、(生え変わりを通して)マウスの毛が白くなったと考えられている。Hsu教授は次のように語っている。

 

「私はストレスが、体に良くないと予測はしていました。しかし私たちが発見したストレスの決定的な影響は、想像を超えていました。わずか数日後、色素を再生させる幹細胞は全て失われていたのです。一度、それらが失われれば、それ以上色素は再生できません。ダメージは永久に続くのです」

 

ダメージを引き起こすタンパク質も特定

 

またもう1つの実験において、研究者らは高血圧を治療する時に使われる降圧剤をマウスに与えることによって、髪の色の変化をブロックできることを発見したという。

 

さらに苦痛を与えたマウスと、そうでないマウスを比較することにより、ストレスから幹細胞にダメージを与えることに関与しているタンパク質を特定。

 

そのタンパク質は「サイクリン依存性キナーゼ(CDK)」と呼ばれるもので、これを抑制させることにより、マウスの毛の色の変化を防ぐことができたそうだ。

 

無論、髪の毛の色の変化は加齢プロセスも原因と考えられているが、今回の研究は髪の色を失うことを防ぐ薬の開発にも役立つ可能性があると考えられている。(了)

 

 

出典元:BBC:Scientists discover ‘why stress turns hair white’(1/22)

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