新しいオーロラ「デューン」と命名、美しい緑の光が波のように広がる
アマチュア天文家の協力により、新しいオーロラの形が確認された。
アマチュア天文家との共同作業
そもそもオーロラは、しばしば1つの同じ現象として見られていたという。しかし実際は、それぞれが特有の方法によって形作られ、多くの異なった種類があるそうだ。
そこでフィンランドの首都にある、ヘルシンキ大学の天体物理学者、ミンナ・パルムロス教授は、アマチュア天文家と共に異なったオーロラを調査し始めた。
まずアマチュア天文家が、数千に及ぶさまざまなオーロラの写真を撮影。それらをパルムロス教授がカテゴリーに分け、オーロラを見る人のためのガイドとなる本にしたという。
緑の光が波のように広がる
しかしアマチュア天文家が、フェイスブックを通して集めたオーロラの画像の中には、これまで存在していなかったタイプのオーロラの形が含まれていたそうだ。
それらは一旦、脇に置かれ、オーロラの本は出版されたのだが、再びアマチュア天文家が、謎めいたオーロラの形を発見する。
そのオーロラは砂浜にある「砂丘」に似ており、緑色に染まった光が波のように水平に広がっていったという。
アマチュア天文家は、そのことをパルムロス教授に話し、その後調査が進められ、新しいオーロラとして「デューン(dunes)」と命名された。アマチュア天文家のMatti Helin氏は次のように語っている。
「共同で調査して最も思い出深いのは、その現象が一定の時間に現れ、私たちがリアルタイムでそれを調べることができた時です」
上空100km、波の帯は45kmに渡る
その後も、この「デューン」の調査が進められ、研究者とアマチュア天文家は、フィンランド中の写真を集め始めたという。
そして写真を組み合わせたり、背景の星を手がかりにしたりしながら、この「デューン」の光がどこから来るのかを特定した。
「デューン」の光は比較的低い高度、上空100km付近(80kmから120km)で発し、波の形は45kmにも渡っていたという。
またこのオーロラが他のものと異なる理由は、「伸び広がる向きにある」とか。一般的なオーロラは垂直方向へ延びるのだが、この「デューン」は水平方向へ広がっているそうだ。
ただ、なぜ水平に広がるのか、この理由を解明するために今後もさらに研究が続けられるという。(了)
出典元:INDEPENDENT:New kind of northern lights called ‘dunes’ discovered by amateur scientists(1/29)