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米国聖書博物館にある死海文書の断片、全てが偽物と判明

米国聖書博物館にある死海文書の断片、全てが偽物と判明
Biblical Archaeology Society

20世紀最大の考古学的発見と言われる「死海文書」。数多くあるその断片のうち、16片を米国聖書博物館が所蔵していたが、その全てが偽物であると判明した。

 

贋作調査の専門家チームが鑑定

 

死海文書とは、1947年以降、死海に流れ込むヨルダン川流域の洞窟で見つかった写本群の総称だ。その中には旧約聖書(ヘブライ語聖書)の最古の写本も含まれており、宗教的・歴史的に大きな意味を持つとされている。

 

米国ワシントンDCにある聖書博物館(Museum of the Bible)は、死海文書の16の断片を所有していたが、そのうちの5片に関しては、偽物ではないかという疑いが強く持たれていた。

 

そこで同博物館は、16片全ての調査を、美術品贋作を専門とする特別調査チームに依頼。その結果、なんと16片全てが、最近作られた偽物だと分かった。

 

偽物との判定に至った理由はいくつかあるが、第一にあげられるのは素材の違いだった。本物の死海文書は羊皮紙に書かれているが、同博物館のものは古いなめし革に書かれていた。羊皮紙もなめし革も動物の皮から作られるが、なめし革の方が厚く、繊維が多く、表面が凸凹しているので、違いは明らかだそう。

 

贋作者はヨルダン川付近の砂漠で拾った古代のサンダルの革を使ったのだろう、と専門家は考えている。偽物の革には、古代ローマ時代のサンダルと類似点があるそうだ。

 

また、表面の焼けたような色や、古い羊皮紙特有の表面のべたつきなどは、人工的に着けられたもと判明した。なめし革にニカワ(動物の皮などを煮詰めて作るゼラチン状の粘着剤)を塗ると、古い羊皮紙のように見えるらしい。

 

偽物判定の決め手となったのは、高倍率の顕微鏡による調査だった。偽物の革は古びているため、表面に微小なひび割れがあるのだが、そのひび割れの谷に文字のインクが入り、塊になっているのが見て取れたのだ。もしこの断片が本物なら、文字が書かれた当時の革は新品で、ひび割れはなかったはず。そこに文字を書いても、インクがひびの谷に入ることはない。谷にインクが入っているということは、革が古びた後、つまり比較的最近になってから文字が書かれたことを示している。

 

他の死海文書にも疑いが

 

この偽物の出どころについては、今のところほとんど分かっていない。だが、2002年以降に骨董品市場に現れたものであるのは確からしい。

 

この件を報じたナショナル・ジオグラフィックによれば、2000年代初頭になって突然70もの新たな断片が市場に登場し、聖書博物館が入手した16片もその一部だそう。調査チームは、その頃に出回った断片は見た目が類似していることから、どれも同じ贋作者によるものではないかと見ている。(了)

 

出典元:National Geographic:‘Dead Sea Scrolls’ at the Museum of the Bible are all forgeries(3/13)

出典元:Mail Online:All 16 of the Dead Sea Scroll fragments displayed at the Museum of the Bible are FORGED, claims investigation(3/13)

出典元:Biblical Archaeology Soceity:Five Museum of the Bible Dead Sea Scrolls Are Fake(2018/10/23)

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